自然史博物館を沖縄に 研究者ら提言、那覇でシンポ


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国立自然史博物館の設立候補地として「沖縄が最適だ」と訴える登壇者ら=6日、那覇市の県立博物館・美術館

 シンポジウム「沖縄に国立自然史博物館を!」(同実行委員会主催)が6日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。松浦啓一国立科学博物館名誉研究員らが、沖縄の生物多様性などを挙げて「沖縄が(同博物館設立の)候補地として最適だ」と訴えた。

 松浦さんは、東日本大震災で自然史の標本が失われたことなどを説明した上で「これほど生物多様性の豊かな沖縄に国立自然史博物館ができれば国際的にも評価されるはずだ」と強調した。阪口法明環境相那覇自然環境事務所野生生物課長は「同博物館ができて標本データが蓄積されれば、固有種や希少種の保全という観点でも連携して取り組むことができる」と語った。
 西田睦琉球大副学長、当山昌直沖縄生物学会副会長、禹済泰沖縄リサーチセンター社長、松本晶子琉球大教授、大浜浩志県環境企画統括監、岸本健雄東京工業大名誉教授、林良博国立科学博物館長らも登壇した。
 国立自然史博物館は日本学術会議が内部の分科会で議論を重ね、ことし2月に沖縄と東北地方に設立する構想をまとめている。