県立芸大に「沖縄文化コース」新設 16年度から学科再編


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県立芸術大学音楽部の学科再編イメージ図

 沖縄県立芸術大学(比嘉康春学長)が音楽学部音楽学科を2016年4月に再編することが18日までに、分かった。沖縄現代音楽を学問として体系化するために「沖縄文化コース」を新設するのが大きな特徴だ。これまでの7コースに「沖縄文化コース」と「声楽コース」が加わり9コースになる。また現在の四つの専攻を三つに統合する。

対象学生は16年度入学者から。これまで専攻の設置や改名はあったが、今回のような大規模な学科再編は開学以来初めて。
 今回の再編で今までなかった現代の沖縄音楽も対象にするコースが新設される。沖縄文化コースに関して、関係者からは「(いろいろなジャンルの)県出身のアーティストに客員教授として授業に参加してもらいたい」との声も上がる。
 従来の音楽学科では演奏家の育成に重点を置いていたが、同コースに舞台制作の企画立案などを通して音楽と関わる「アートマネジメント」を学ぶ課程も導入する。今後、県立芸大大学院にも同じような課程を設ける構想もある。
 専攻は現在の声楽、器楽、音楽学、琉球芸能の四つの専攻を音楽表現、音楽文化、琉球芸能の三つに統合する。廃止されるコースはなく、学科募集人員40人も変更しない。
 音楽学部の糸数ひとみ学部長は「沖縄の文化や歴史に関心があり、音楽や芸術を通して学んだことを自ら発信したいという人に来てもらいたい」と呼び掛けた。各専攻の募集人員は音楽表現が23人、音楽文化が7人、琉球芸能が10人で計40人。(安富智希)