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金城トミさん107歳祝う 名護・デイサービス久辺の里 「盛誕祭」開催


金城トミさん107歳祝う 名護・デイサービス久辺の里 「盛誕祭」開催 誕生ケーキのろうそくを勢いよく吹き消す金城トミさん(左)とデイサービスの石原峰代管理者=7日、名護市のデイサービス久辺の里
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【名護】名護市豊原区の「デイサービス久辺の里」を利用している金城トミさん=名護市大東在住=が7日、107歳の誕生日を迎えた。デイサービスでは「盛誕祭」が開催され、歓喜に包まれた。
 職員が豪華に装飾した主役席のトミさんは終始、にこやかだった。職員のギター演奏による唄会を楽しみ、皆でトミさんを心から祝福、喝采し、幸せに満ちあふれた。皆、豪快でかわいいトミさんのファンだ。首里出身のトミさんは、長女の宮城トヨさんと一緒に名護市で暮らす。宮城さんが閑静な豊原区の「久辺の里」を気に入り、デイサービスを利用し始めて1年数カ月。時には「ショートステイ」を利用しながらも、休まずに通う。昼寝もせずに、常に周りを明るくする。沖縄そばやケーキが大好き。旺盛な食欲が長寿の秘訣(ひけつ)だ。
 「てーふぁー(冗談好き)」もトミさんの魅力だが、久辺の里の利用者は「トミさんは頭が良くて、気遣い上手」と、その本質を見抜く。幼少より奉公で働き、沖縄戦では夫が戦死、4人の子を1人で育て上げた。サービス業で働き、琉球大学で20年間、清掃の仕事をした。
 激動の昭和史を必死で生き抜いた力強さが根底に息づくからこそ、真の優しさと強さをトミさんは知り得る。辺野古の浜から昇る太陽のように明るくチャーミングなトミさんは、これからも久辺の里のシンボルとして燦々(さんさん)と輝く。(池辺賢児通信員)