【豊見城】豊見城市教育委員会(瀬長盛光教育長)は、戦前の豊見城グスクと、グスクのすそに架かる石火矢橋(いしびやばし)を過去の写真や地形図を元にデジタル制作で再現する事業に取り組んでいる。豊見城グスクは現在の沖縄空手会館に隣接する高台に位置し、沖縄戦などで破壊された。石火矢橋も戦後コンクリート製に造り変わるなど、戦前の面影は残っていない。事業を進める文化課は「どちらも歴史的に重要な史跡。市にとって貴重な史跡や集落を、市民がイメージしやすい形にする」と事業について説明。今後、より多くの再現を目指していく。
2020年度に始まった「デジタル博物館事業」の一環。戦前の史跡や集落をデジタルで再現する取り組み。22年度は真玉橋と真玉橋集落、瀬長島の集落が再現された。23年度は豊見城グスクと豊見城の集落、石火矢橋の再現に取り組んでいる。再現に当たり、米軍が撮影した空中写真などを活用した。
さらに地域の高齢者から聞き取り調査を行い、家屋や石垣に使われていた資材、植物の種類など細かい部分も再現する。
8日には監修を務める琉球歴史家の上里隆史さん、県立博物館・美術館主任学芸員の山本正昭さん、デジタル制作の事業者らによる監修会議が、市教委文化課で開かれた。豊見城グスクと石火矢橋の制作途中の立体画像と資料を見比べながら意見交換が行われた。
石火矢橋の再現では1930年代、40年代、60年代の資料から橋脚部分のアーチや潮切りなどに違いがあることが判明。現在のコンクリート製の橋に改修される以前にも何度か補修されたと推測できることを確認した。
23年度の事業成果は、市教育委員会文化講座「デジタルでよみがえる豊見城グスクと石火矢橋」として18日午前9時半から、沖縄空手会館で報告される。入場無料。定員80人(当日先着順)。問い合わせは電話098(856)3671(文化課)。 (岩崎みどり)
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グスクと橋 デジタルで再現 豊見城 18日報告会 重要史跡 市民に伝える
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琉球新報朝刊
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