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下水道 赤字体質脱却を 豊見城市審議会 料金の段階的改訂を答申


下水道 赤字体質脱却を 豊見城市審議会 料金の段階的改訂を答申 上下水道事業経営戦略について徳元次人市長(左から5人目)に答申した市上下水道事業審議会の平敷徹男会長(同4人目)ら=20日、豊見城市役所
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 【豊見城】持続可能な上下水道事業の在り方を議論してきた豊見城市上下水道事業審議会の平敷徹男会長ら委員7人が20日、豊見城市役所に徳元次人市長を訪ね、上下水道事業経営戦略の改定版(2024~33年度)を答申した。下水道事業では水道事業からの借り入れが続いていることから「新規借り入れをなくすことを目標に24年度から使用料改定を行い、今後も経営改善を目指し必要に応じて段階的な改定を検討する」などと答申した。
 下水道料金の値上げは昨年10月に審議会が答申、市議会12月定例会で可決されている。4月から一般的な4人世帯(汚水量・月20立方メートル、税別)で現行の1220円が1500円(23%増)となる。下水道事業は22年度決算で水道事業から1億円の借り入れをしたが、値上げにより新規借り入れをなくす。
 答申では、水道料金について収支均衡が図られていることから「現時点では料金改定の必要なし」とした。一方で「県企業局からの受水費用の値上げや、経営環境の変化を注視し、料金改定の必要性を適宜検討する」としている。
 さらに(1)毎年度の実績を踏まえて経営戦略の進ちょく確認を行う(2)物価高騰や社会経済情勢の変化などを踏まえ、3~5年ごとに料金見直しを図る-などとする付帯意見を付けた。
 答申を受けて、徳元市長は「長期的に安定した上下水道事業となるよう、この答申を基に経営戦略をしっかり見直す」と話した。市は今後、答申を基に内部で経営戦略の改定を議論。3月末までに最終決定し、ホームページで公表する。
 (岩崎みどり)