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「介護の将来像、構築必要」 伊是名で小規模特養運営会議


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 【伊是名】離島・過疎地域における小規模特養の事業継続モデル研究事業の第2回小規模特養運営会議が2月2日、伊是名村産業支援センターホールで開催された。
 小規模介護福祉施設(小規模特養)は、離島や中山間地域などにおいても介護保険サービスが行き届くよう、特例的に設置が認められた定員30人の施設。経営を成り立たせるためにかつては介護報酬が上乗せされていたが、一部が削減された。その影響や人口減少の要因もあり、小規模離島における介護事業は年々厳しくなっている。
 全国老人福祉施設協議会は、離島・過疎地域での事業継続に向けたモデルケースを検討中で、この事業に離島代表として伊是名村のチヂン園が参加し研究を行っている。3月末には報告書が出る。
 チヂン園施設長の伊禮弘宜さんは「園には毎年500万円前後の寄付金が寄せられているが、赤字経営が継続している。根本的な要因は村人口の減少であり、それが職員確保をますます困難にしている。数年先には園の継続が危ぶまれる状況が到来する」と危機感を強調した。
 「今後30年間の村の介護状況を推察すると、介護の必要な高齢者は現在と同程度の人数だが、それを支える労働力人口は大幅に減少する。介護を巡る厳しい状況が緩和する見通しはない」と話し、将来ビジョン構築の必要性を訴えた。 (比嘉陽子通信員)