【那覇】「書きたいテーマがどんどん湧いてきてパソコンから離れられません」。那覇市首里久場川町の比嘉義裕さん(74)が本紙の声欄、「ティータイム」のコラムなど県内紙への投稿文をまとめた冊子を自費出版、親戚や知人、投稿仲間に送り喜ばれている。
教職歴32年の比嘉さん。名護市に母方のルーツを持ち、2013年に「チリ津波と父の思い出」のタイトルで本紙に初投稿が掲載された。「その時の欣喜雀躍(きんきじゃくやく)の興奮は忘れられない」と振り返る。以来、身辺雑記や職歴、人生観、社会雑感、感銘を受けた書籍など多彩なテーマを軽妙、洒脱(しゃだつ)な文章でつづり投稿している。
その後、友人らから強い勧めがあり、20年に「なんくる」のタイトルで投稿文の冊子(A4判)を発行。今年2月に3、4集目を合冊して仕上げた。趣味の絵手紙やイラスト、写真も数多く挿入して読む人の心を和やかにしている。
うちなーぐちの冊子名「なんくる」には「あるがままに」「自分らしく」の思いを込め、収録総数は200余本を超える。その間、自分・家族史をまとめ、さらに教職中に1年間、大阪教育大学で学んだ同窓生に向けた「わくわく沖縄便り」「しみじみ沖縄便り」を18年から発行、絆を深めている。
投稿について「掲載された日には多くの方から電話がある。新聞の反響力に驚くばかりです」と語る比嘉さん。
しかし、投稿原稿が全て掲載されるわけではない。「その原稿も愛着がある貴重な一章。ボツにはできない」とエピソードを披露、「アィヌーガヤー」のタイトルで別冊にまとめている。
比嘉さんは「波乱万丈の人生だったが、今は投稿で人との縁が広がり生きがいになっている」と、投稿をますます楽しみにしている。 (岸本健通信員)
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人生、社会 多彩につづる 那覇の比嘉さん 新聞投稿を冊子に
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琉球新報朝刊
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