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「足りない環境ほど人間育つ」 伊江 西表島出身・池田卓さん講演


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【伊江】西表島船浮出身のシンガーソングライター池田卓さんを招いた教育講演会(主催・伊江村PTA連絡協議会、村内3学校PTA)が6日、伊江村農村環境改善センターホールで開かれた。3校のPTA会員をはじめ、地域住民ら約130人が参加。「不便が残してくれたもの」と題して講演した。
 船浮地区は島の西に位置し、島内でありながら道路がつながっていない集落で、船でしか行くことができず“陸の孤島”と呼ばれる。同地区の人口は40人ほどで、池田さんはそこで育ったエピソードや祖母からの教えを紹介し「不便とは今まであったものがなくなったときに感じる不満のこと。便利な世の中だが、離島はちょっと不便があってもいい。ないものねだりよりも、今あるものに感謝して、それをどう使っていくかが大切」と語った。
 野球で培った経験では「人や環境よりも継続することが大事。足りない環境ほど人間が育つ」と語った。参加者は約1時間の講演を熱心に聞き入っていた。
 同協議会の金城成会長は「インターネットで簡単に物が買える便利な世の中になり、伊江島の人たちが忘れかけていたことを伝えてくれた」と話した。
 池田さんは同日、村内の伊江小、西小、伊江中の3校でも児童生徒を対象に講演した。