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「絵が語る戦争」で平和学習 石垣小 故潮平さん著作 久原さんに直球質問


「絵が語る戦争」で平和学習 石垣小 故潮平さん著作 久原さんに直球質問 児童に向けて八重山の戦争について話す久原道代さん =19日、石垣小学校体育館
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 【石垣】慰霊の日を前に、石垣小学校は19日、石垣市文庫連絡協議会副会長で県子ども読書指導員の久原道代さんを講師に招き、同校体育館で平和学習会を開いた。久原さんは父の故・潮平正道さんの著作「絵が語る八重山の戦争」(南山舎)をスクリーンに映しながら、八重山であった戦争について伝えた。参加した3、4年生約120人は真剣なまなざしで画面に映った絵を見つめ、久原さんの読み上げる声を聞いた。質疑応答では「戦争はなんであるんですか?」など率直な質問や感想が相次いだ。
 潮平さんは石垣国民学校(現在の石垣小学校)の卒業生。図工の時間にグライダー(模型飛行機)を作り、誰が一番長く飛ぶか競い合っていた。だが、大人になって子どもに戦闘機へのあこがれを持たせる目的だったことに気づいたという。 
 「方言札」で同級生同士が監視し合ったり、竹やり訓練で「やー」と大きな声を出さないと先生に怒られたりした経験もまとめている。久原さんは児童が聞きやすいようゆっくりと読み上げ、潮平さんが体験した戦争の実態を伝えた。
 質疑応答で児童は積極的に挙手して疑問を投げかけ、感想を述べた。ある男子児童は「いっぱいの人が亡くなってしまうので戦争は絶対にしたくないと思った」と堂々と発言した。
 別の男子児童は「戦争はなんであるんですか?」と直球の質問をした。久原さんは「戦争が起きる原因はたくさんある。なぜ起きるのかと考えることは、戦争をなくすためにとても大切なこと」と答えた。(照屋大哲)