有料

闘牛の名将しのびエイサー 読谷で懇親会 佐久川政秀さんの遺志継ぐ


闘牛の名将しのびエイサー 読谷で懇親会 佐久川政秀さんの遺志継ぐ 高志保青年会、屋慶名青年会が駆け付けエイサーを披露し、300人以上が訪れて祭りの様相を呈した故佐久川政秀さん追悼闘牛大会の懇親会=5日、読谷村古堅
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【読谷】8月に亡くなった沖縄闘牛人気の立役者、佐久川政秀さんの追悼闘牛大会が9月29日にうるま市で開かれ、この日の夕方には読谷村の牛舎で故人をしのぶ集まりが行われた。10月5日には高志保、屋慶名青年会のエイサーも披露され、さながら祭りのよう。関係者らは佐久川さんの闘牛への深い愛情や数々の「伝説」を語り合った。
 佐久川政秀さんの四十九日が明け、盛大に執り行われた追悼闘牛大会(9月29日)の慰労を兼ねた懇親会は10月5日、読谷村の古堅モータース牛舎で行われた。いるはずがない佐久川さんに会えるような感覚で、かつての快活な笑顔が頭に浮かぶような集まりとなった。
 本来ならば例年、「古堅モータース闘牛広場エイサー祭り」が開催されているはずであったが、地元の高志保青年会と佐久川さんお気に入りのうるま市屋慶名青年会が駆け付け、会場はお祭りの様相を呈した。
 闘牛大会で軽トラックなど豪華景品が当たる抽選会などを発案し、常に人を喜ばせた古堅闘牛組合長の佐久川さん。弟の政則さんは「みんなで協力して(遺志を)引き継いでいかないとね」としみじみと語った。組合員の大湾達一さんは熱気に包まれるエイサーを見ながら「政秀のまねできる人はいないよ~」と目をうるませた。
 エイサーが始まると豪快に踊る演者の周りには300人以上の人だかりができていた。
 佐久川家の家族が協力していただいた方へのお礼として開いたが、組合の垣根を越えて闘牛関係者が次々に集まった。東山グループの金城睦さんは「何十年もライバルだったよ。だけど今は本当にお疲れ様でしたの気持ち」とねぎらいの言葉。石川組合の伊藝武康さんは佐久川さんの弟、政則さんから「みんなで支えてね」と連絡をもらい金武町から駆け付けた。佐久川さんの息子、政源さんが遺影をもってカチャーシーを舞う姿には「感動するね」と話した。
 亡くなった佐久川さんをしのんでいるはずが、牛舎は涙を流しながらも笑いあり感動ありの温かい空気に包まれた。佐久川さんが常々口にしていたのが「牛は牛がケンカする。ぬーし(牛主)はケンカしない」
その思いは家族、古堅闘牛組合、ウシオーラセーを愛する牛主たちにちゃんと受け継がれている。
 (仲村早人)