【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は11日、九州各県で行われた。ハンドボールは準々決勝を行い、女子の浦添は白梅学園(東京)に23―48で敗れ、準決勝進出はならなかった。
堅守速攻を武器に、春の選抜覇者の白梅学園(東京)に立ち向かった女子浦添。23―48で敗れ、ベスト4には届かなかった。
前半は山入端美香や金城彩佳らが攻撃の要として、相手の堅守に割って入り、得点を重ねるなど互角の戦いを見せた。ただ、中盤になると7人攻撃を仕掛ける白梅学園の術中にはまっていく。相手ポストが浦添の守備を崩すと、すかさずシュートをねじ込まれた。正確で素早いパス回しと、俊敏な逆速攻にも翻弄(ほんろう)され「(試合の)流れが変わった」(新垣陽咲)と振り返った。
後半も攻撃の糸口を探り続ける展開は続いた。「第2、第3の人にボールをつなぐことができなかった」(山入端)というように相手にパスカットを許され、連続失点が続いた。ただ、残り10分には持ち味の速攻が生きた。悪い流れを断ち切るように金城や山入端が豪快なシュートを放つと、又吉虹歌もすかさずロングシュートで応戦。終盤で粘りのプレーを見せたものの、厚い壁を打ち破ることはできなかった。
喜舎場淳一監督は「自分たちで考えるプレーを貫いてきた。体格差もありながら一生懸命頑張ってくれた」と選手をたたえた。
又吉叶主将は「負けてはしまったが、自分たちがやってきたことに改めて自信を持つことができた」と表情に曇りはなかった。
(渡真利優人)
けが越え出場、仲間に活力
両膝の前十字靱帯(じんたい)断裂から復帰したエース野底桃伽(3年)が得点を挙げた。1回戦はペナルティースローでの得点だったが、この日は流れの中で強烈なシュートを決め、苦しむチームに活力を与えた。
靱帯はまだ切れたまま。通常なら歩くのも困難だが、なぜかしっかり踏ん張って走ることができた。医者に「こんな子いない」と言われるほど、奇跡的な状態で総体を迎えた。
モットーは「見ている人を楽しませるプレー」。出場中は笑顔を絶やさず、全力でプレーした。「みんなが『ももが決めて』と背中を押してくれた。出られただけで奇跡。大満足」。笑顔で最後の総体を終えた。
(稲福政俊)
沖縄生まれ普久原姉妹 躍動 白梅学園(東京)強豪で主力
白梅学園(東京)の普久原朱怜(2年)と光怜(1年)の姉妹は東京育ちだが、両親が沖縄出身で自身も沖縄生まれ。高校3冠を狙う強豪チームの主力として活躍する。
ハンドボール選手だった父博司さん(44)、母奈留美さん(46)の影響を受け、小学生から競技を始めた。中学時代には全国優勝を経験し、そろって優秀選手に選ばれたこともある逸材の姉妹だ。
浦添との準々決勝は朱怜がスタメン出場。攻撃の起点となるパスを供給し、自らも得点を挙げた。後半に出場した光怜も同様の役割を担った。2人とも万能型のバックプレーヤーだ。
浦添の印象について、朱怜は「選手のばねやスピードが全然違う。さすが沖縄だと思った」と、運動能力の高さに目を丸くしていた。
(稲福政俊)
(11日・アクシオン福岡メインアリーナ)
【女子】
▽準々決勝
白梅学園(東京)
48―23(26―13,22―10)
浦添