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近田(スクラッチポイント)2冠 久貝、男子ケイリン制す 畑(男子ジュニアスクラッチ)3位 自転車・全日本競技選手権


近田(スクラッチポイント)2冠 久貝、男子ケイリン制す 畑(男子ジュニアスクラッチ)3位 自転車・全日本競技選手権 女子ジュニアポイントレースで1位に輝いた近田ちひろ(愛媛・松山学院高)(左)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 自転車の第93回全日本競技選手権トラックレースが6~9日、静岡県の伊豆ベロドロームで開かれた。女子ジュニアのスクラッチ決勝で近田ちひろ(金武中―愛媛・松山学院高3年)が10分20秒74で優勝した。近田はポイントレース決勝も23点で制して2冠に輝いた。男子ジュニアケイリン決勝は久貝一心(北中城高2年)が11秒214で制した。久貝はスプリント、1キロタイムトライアルで3位に入った。畑祐太郎(首里東高―鹿屋体育大1年)は男子ジュニアスクラッチで3位だった。

 (競技・表彰写真は日本自転車競技連盟提供)


近田、単身強豪へ進み栄冠

女子ジュニアポイントレース1位の近田ちひろ(中央)

 ポイントレースとスクラッチで2冠を達成した近田ちひろ(金武中―愛媛・松山学院高3年)は「ジュニア最後の大会で勝ててほっとした」とまずは安堵(あんど)した様子だった。五輪出場の夢を追い、単身強豪に進んだ挑戦者は「圧勝したかったので70点かな」と高い目標を語った。

 トラックを7・5キロ分周回し1着を争うスクラッチは、終盤で1位に躍り出て勝利。「途中でアタックしようとしたが読まれた。最後のスプリントが勝負だと思った」と残り2周ほどでスパートをかけ、最後の周回の第3コーナーを抜けてトップに立った。

 40周を走り、10周目ごとの通過順位に応じて加点されるポイントレースでは、3度1位で駆け抜け点数を奪取。「(加点される)スプリント周回の前には先頭を取った」と、プラン立てて確実に点を重ねた。

 幼少期はぜん息持ちで体が弱かった。体力強化のため父の勧めで自転車に乗り「いつの間にかハマっていた」と小学2年から本格的に競技を始めた。高校での充実した練習と寮生活に「自分のことは自分でできるようになった。多くの大会で経験も積めている」と手応えを感じている。

 8月下旬には世界選手権(中国)の4種目に出場した。「(世界の選手は)全てが格上だった。もっと速くなりたい」と夢へ向かってこぎ続ける。

 (名波一樹)


久貝、念願の全国一 他2種目で3位

男子ジュニアケイリンで優勝した久貝一心(北中城高)

 男子ジュニアのケイリンで初の全国一をつかんだ久貝一心(北中城高2年)は「やっと優勝することができた」と感無量の様子で声を弾ませた。競輪選手を目指しており、1年の頃からメイン種目に据えていた。

 3月の全国選抜は3位、7月の全国高校総体で2位。悔しさをかみしめつつ徐々に上げ、ようやく手にした念願の1位だった。

 決勝は1周250メートルの6周で競われ、3周目まではペーサー(誘導員)の後方を走る。「5番手にいたが、残り2周半の時点でも誰も動かなかった」と出場6選手で駆け引きが続いた。「自分から展開をつくろうと思った」と積極的に前に出てレースを動かした。先頭に立つと、後方の追い上げ具合も気にしながら逃げ切った。

 3位となったスプリント、1キロタイムトライアルはそれぞれ課題も見つかった。スプリントは「試走よりも記録を落とし、アップ不足だった」と痛感。タイムトライアルには、中央から二つのグリップが飛び出た「DHハンドル」を使用。低姿勢を保てるが「慣れていなかった。遠心力に負けて、しっかりペダルを踏み込めず、目標よりも低いタイムだった」と反省もあった。国スポはケイリン、1キロタイムトライアルへ出場する。大きな収穫と自信を胸に「上位を目指す」と決意を込めた。

男子ジュニアケイリンで優勝した北中城の久貝一心(中央)

 (大城三太)


男子ジュニアスクラッチで3位に輝いた畑祐太郎

 【男子】

 〈ジュニア〉
▽スプリント準決勝
中村(千葉) 2―1 久貝一心(北中城)

▽同3位決定戦
久貝 2―0 清水(岐阜)

▽スクラッチ決勝 (3)畑祐太郎(鹿屋体育大)

▽ケイリン準決勝2組 (1)久貝11秒403

▽同決勝 (1)久貝11秒214

▽1キロタイムトライアル決勝 (3)久貝1分5秒699
▽3キロ個人追い抜き決勝 (7)畑3分31秒425
▽ポイントレース決勝 (6)畑7点

 〈エリート〉

▽1キロタイムトライアル決勝 (18)國吉優希(県自転車連盟)1分7秒613

 【女子】

 〈ジュニア〉
▽スクラッチ決勝 (1)近田ちひろ(松山学院高)10分20秒74
▽ポイントレース決勝 (1)近田23点