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レスリング・仲里、意地でVつかむ 体格差、技術で埋める<SAGA2024国スポ>第3日


レスリング・仲里、意地でVつかむ 体格差、技術で埋める<SAGA2024国スポ>第3日 レスリング成年男子グレコローマン130キロ級決勝 果敢に体をぶつけ、相手を攻める佐賀代表で出場した仲里優力(右)=7日、佐賀県嬉野市中央体育館(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 国民スポーツ大会「SAGA2024」第3日は7日、佐賀県各地で競技が行われた。レスリングの成年グレコローマン130キロ級に佐賀県代表で出場した仲里優力(ゆうり)(SAGAスポーツピラミッド)が優勝した。新潟代表で出場した同77キロ級の島袋慶生(けいせい)(東新潟特別支援学校教)は2位。成年グレコローマン97キロ級の鶴田峻大(沖縄尚学高出―自衛隊体育学校)は3位。弓道少年男子の沖縄代表(松本善樹、金城拓実、金城佑飛)が近的(28メートル)で準優勝に輝いた。重量挙げ成年男子89キロ級で、東京代表で出場した金城優人(警視庁)はジャーク3位、スナッチ6位。同109キロ級の屋良一郎(高江小職)はスナッチ、ジャークいずれも4位だった。


 97キロ級を土俵とする仲里優力(ゆうり)(SAGAスポーツピラミッド)だが、チームの事情で130キロ級で出場。それでも意地で優勝をつかみ取った。

 「もう二度とこの階級で出たくない」というほど、自分よりはるか大きな相手と対峙(たいじ)した。体格の差を埋めたのは、どんどん前で勝負する精神力の強さ、はた目には見えない技術力だった。「相手の力を100%で受けないように工夫した」と間合いを詰めながら、タイミングもずらして力を受け流した。

 決勝は新日本プロレスに所属する小畑詩音。日体大つながりで練習を共にしてきた仲だ。最初のぶつかり合いで相手の肩があごに入り、試合が一時止まった。「トラックにぶつかったようで脳しんとう状態になった」とぐらついた。

 それでも前に出ることをやめず、1―8で勝利。互いにパッシブ(消極的姿勢)を取られたが、攻めはきっちり成功させ、守りは鉄壁だった。「これまでの練習で手の内を見せていない上からのローリングを決めることができた」と温存してきた技で決めた。

 今年5月、パリ五輪出場に王手をかけたが惜しくもかなわなかった。「ロサンゼルス五輪に出場して結果を残したい」と向かう最終地点は揺るがない。「佐賀県が環境を整えてくれて競技を続けられる。結果で返すことができた」と佐賀の地元開催でひときわ光り輝いた。

 (大城三太)

鶴田(グレコ97キロ級)3位

 成年グレコローマン97キロ級の鶴田峻大(たかひろ)(沖縄尚学高出―自衛隊体育学校)は準決勝で敗れた。0―5から巻き返しを狙ってローリングも決めたが、3―5で力尽きた。「相手は防御力にたけており、追いかける展開は避けたかった」と悔しがった。

 鶴田は長崎育ちだが、父の転勤で小学生の時に沖縄へ。西崎中、沖縄尚学高では柔道に打ち込んだ。自衛隊に入り、社会人2年目にレスリングの道へ進んだ。自衛隊では埼玉の体育学校に所属し、選手としてほとんどの時間を競技に費やすことができる環境にある。

 5月の全日本選抜選手権を制するなど実力者で今年12月に29歳になる。「守備で逃げずに、守り通さないといけない場面でびびった。判断力をもっと大事にしていきたい」と課題を掲げた。

 (大城三太)

あせりが出た

 成年グレコローマン67キロ級準々決勝で敗れたの徳比嘉未仁(みると)の話 グラウンドの状態で序盤は守備の形ができたが、1度返されてから、あせりが出て再度やられた。守備が課題となった。甘い部分をこれから修正していかないといけない。


▽成年男子グレコローマンスタイル130キロ級準々決勝

仲里(佐賀・SAGAスポーツピラミッド) Tスペリオリティー4分17秒 山口(山口・山口県警)

▽成年男子グレコローマンスタイル130キロ級準決勝

仲里(佐賀・SAGAスポーツピラミッド) 5―0 奥村(滋賀・自衛隊)

▽成年男子グレコローマンスタイル130キロ級決勝

仲里優力(佐賀・SAGAスポーツピラミッド) 8―1 小畑詩音(宮城・新日本プロレスリング)

▽成年男子グレコローマンスタイル77キロ級準々決勝

島袋(新潟・東新潟特別支援学校教) 7―6 山田(愛知・日体大大学院)

▽成年男子グレコローマンスタイル77キロ級準決勝

島袋(新潟・東新潟特別支援学校教) 5―1 水口(奈良・奈良県スポーツ協会)

▽成年男子グレコローマンスタイル77キロ級決勝

桜庭功大(秋田・自衛隊) 7―1 島袋慶生(新潟・東新潟特別支援学校教)

▽成年男子グレコローマンスタイル67キロ級準々決勝

上垣勇二(奈良・自衛隊) Tスペリオリティー1分8秒 徳比嘉未仁(日体大)

▽同グレコローマンスタイル97キロ級準々決勝

鶴田峻大(自衛隊) Tスペリオリティー3分57秒 中原陸(栃木・大東大)

▽同準決勝

角雅人(佐賀・自衛隊) 5―3 鶴田峻大(自衛隊)