バスケットボールの全沖縄高校選手権大会・県U15選手権大会兼ジュニアウインターカップ全国U15選手権県予選会決勝が20日、沖縄市の沖縄アリーナで開かれた。高校男子は美来工科が72―64で興南を下した。女子は石川が98―68で西原を破った。美来工科と石川は全国高校選手権大会(12月・東京)の出場権を手にした。U15選手権の男子は琉球ゴールデンキングスU15が62―51でStandardを下した。女子は北谷中が53―50でHEARTに勝利した。男女とも全国U15選手権大会(ジュニアウインターカップ、1月・東京)の出場権を得た。
美来工科 我慢のプレー熱戦制す
最後まで息をのむ熱戦を美来工科が制した。第3クオーター開始時点で20点あったリードも、一時は3点差まで詰められた。最終盤まで食らいつく興南から逃げ切ると、選手らは安堵(あんど)の表情でハイタッチを交わした。宇地原尚彦監督は「ひやひやしたが、最後までよく走って粘ってくれた」と胸をなで下ろし、連覇したメンバーをたたえた。
序盤はロング、ミドルシュートがさえ渡った。玉城宏逢主将が相手守備を割り、そのアシストからメンバーらが得点。岸本恵多郎や当真祐斗の3点弾も次々と決まり、ダブルスコアまで突き放す勢いだった。
しかし後半は、24秒バイオレーションも取られるなど風向きが変わった。シューターに重圧をかける相手守備に苦しみ、攻守のリバウンドも奪われた。「うまくいかない時間は絶対に来る。我慢しよう」(玉城主将)。得点できない時間が続いたが、チームは冷静だった。高さで勝る相手にも、屋良誠志郎らが体を張って食らいつく。速攻も繰り出し、得点につなげて逆転は許さなかった。
昨年のウインターカップは初戦敗退。玉城主将は「先輩の悔し涙を近くで見た。その思いや沖縄で対戦したみんなの思いを背負う。サイズがないなりに、機動力を生かしたい」と目標の8強入りを誓った。
(名波一樹)
石川、堅守で流れ乗る
堅守で流れに乗った石川は、98―68で連続の頂点をつかみとった。オールコートで前線から重圧をかけ続け、相手のミスを誘って攻撃の機会をつぶした。ポイントガードの古謝志帆は、連続スチールから単身で速攻を決めるなど攻守で躍動した。
第1クオーターは一進一退の攻防を繰り広げ、1点ビハインドで終了。第2Qからは「ディフェンスからブレーク」(古謝)をより意識した。こぼれ球や甘いパスを奪うと、足を使って速攻を決めた。得点後も素早い切り替えでロングパスを封じ、相手速攻を簡単には許さなかった。
180センチを超えるボリー・アイダ・ラソウルはゴール下に君臨。桃宇芹奈も要所でリバウンドを奪い、3点弾も成功させた。好守備から勢いづき、相手ファウルも誘発させた。城間瑠華はドライブからバスケットカウントをもぎとり、好機を広げた。チームはフリースローも多く成功して、前半終了時には46―38と優位に立った。ミスの目立つ時間もあったが、リードを広げて勝ちきった。
古謝は全国へ向け「平面だけでなく立体も使える。スピード感のあるバスケで4強以上を狙いたい」と意気込んだ。
(名波一樹)
北谷中 体格差跳ね返す
北谷中が体格差をものともせず、53―50で競り勝った。
「自信があった」というウェアーティアナ結愛の3点弾などで点を重ね、前半終了までリード。しかし第3クオーターはリングに嫌われスコアをひっくり返された。それでも小浜結羽主将は「シュート練習にこだわってきた。最後は決まる」と諦めない。オールコートで相手にぶつかり、リバウンドもつかんでゴールへねじこんだ。
小浜主将は「強い相手にもプレースタイルを変えず、前からあたってミスを誘った」と勝因を語った。
(名波一樹)
キングス 越、チーム優位に導く
琉球ゴールデンキングスU15が5連覇の強さを見せつけた。勝利の立役者となった越圭司は「チームとして練習してきたことをしっかり出せた」と胸を張った。
越は巧みなドリブルやシュートフェイントを用いて内外から得点してチームを優位に立たせた。守備では相手エースの平良孔龍とマッチアップし、ボールを簡単に運ばせない。後半に追い上げられる場面もあったが、「クラッチタイムはプライドの戦いだ」と要所で3点弾も決めた。
越は「修正点はまだまだある。超高速バスケで優勝を狙う」とチームを日本一へと導くつもりだ。
(名波一樹)
▽男子決勝
美来工科
72―64(27―10,20―17,15―24,10―13)
興南
▽女子決勝
石川
98―68(20―21,26―17,29―12,23―18)
西原
▽男子決勝
琉球ゴールデンキングスU15
63―51(17―15,19―9,15―12,12―15)
Standard
▽女子決勝
北谷
53―50(16―14,18―14,8―16,11―6)
HEART