オンラインサロンに参加する際に確認すべきこと モバプリの知っ得![149]


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「オンラインサロン」の人気が高まっています。オンラインサロン(以下、サロン)は月額料金を支払って参加するネット上のコミュニティーのことです。参加するための月額料金は、月額千円ほどのものから高額なサロンになると月額数万円になるものまであります。テーマも、「有名な◯◯さんの、ここでしか聞けない話」というファンクラブのような内容から、「アイドルプロデューサーが教えるアイドルのプロデュース方法」というピンポイントな内容までさまざまです。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

多くのサロンは目的やテーマを設定しており、興味ある分野の内容の濃い情報を入手できるというメリットがあります。オープンなスペースであるSNSと比べると規模は小さくなりますが、憧れの人とコミュニケーションが取れたり、コロナ禍で他者とのつながりが薄れ将来に不安を覚える人が、サロンを通じて人脈を作ったり、収入を確保できる可能性を見出し、多くの人が参加するなど延びてきている分野となります。

有益なサロンがたくさんある一方、国民生活センターは「毎月2万円を払って加入すれば資産形成を学べ、たくさん稼ぐことができる(実際はろくに稼ぐことができない、解約も難しい)」という悪質サロンに注意するよう呼び掛けています。

こうした怪しい儲け話はネットの普及以前からあり、ネット上でも古いものだとメルマガからの勧誘で高額な情報教材の売買が行われていたり、仮想通貨を通じたトラブルも報告されています。更に最近はマッチングアプリを使って、直接会った相手に投資の話を持ち掛けられたという事案も報告されています。こうしていろいろと方法を変えて勧誘が行われています。今はサロンが怪しい儲け話の入り口として機能していますが、今後ほかのサービスがブームになったら、そこもまた入り口になる可能性もあるので注意深く判断しましょう。

また多くのサロンは、サロン内でのやり取りを外に伝えることを禁止しています。有料なので仕方ない部分はありますが、こうすると外部の目が行き届かない※1 閉鎖的な空間になりがちです。「サロンの主催者と参加者で上下関係が発生しやすい」などの構造的な理由で、トラブルが発生しても参加者が批判できない、問題点が外に出にくい状況になりやすいです。こうした点も考慮して参加するサロンを選ぶようにしましょう。

※1 外部の目が行き届かない…考えの近い人たちが集まり、同じような意見を主張することでどんどん過激になっていくことを「エコーチェンバー現象」と呼びます。サロンは「信頼できる人たちとだけ興味のある情報を共有し合える」というメリットもありますが、バランスが崩れると一気にエコーチェンバー化し、間違い・問題のある情報を共有しても誰も疑わない、あるいは指摘できないという状況になりやすいです。

 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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