<社説>非正規公務員 官製「働く貧困」を改善せよ

 公共サービスを提供する「官」の側が働く貧困層(ワーキングプア)を生みだしている。

 県内41市町村の公務員で非正規職員の割合(非正規公務員率)が全国平均を超える自治体が35市町村に上ることが分かった。
 住民の生活福祉の向上を担う地方自治体が、低賃金で不安定な非正規公務員によって運営されている事態は看過できない。自治体は責任を持って雇用環境の改善に取り組むべきだ。
 地方自治総合研究所の上林陽治研究員の分析によると、全職員のうち非正規公務員の割合が5割を超えたのは全国で43市町村。このうち県内は宜野座村、与那原町、読谷村、恩納村の4町村あった。最も高いのは宜野座村の63・8%で、全国で4番目の高さだ。沖縄は公務員の非正規化が全国的に見ても進んでおり、特に女性が多い職場で非正規化が顕著だ。
 正規職員から非正規への「切り替え」の背景に、自治体の財政難や、行政改革による公務員定数の削減などが挙げられる。
 非正規は生活保護のケースワーカーや、保育士、図書館などで多い。軽い仕事を非正規に任せるのではない。実際には仕事内容は正規と変わらない。県内の小学校で、学年主任や体育主任など、責任ある職務を非正規がカバーしているケースもあるという。
 しかも正規・非正規という身分の差で処遇は全く違う。非正規の公務員は年収の平均が200万円を超えていないと指摘される。国税庁の調査によると、2014年度の日本人の平均給与は415万円。平均の半分以下が相対的貧困の尺度となるので、非正規公務員は貧困線以下で働くワーキングプアに該当してしまう。いつでも雇い止めされるという不安定さで、退職金も出ない。
 総務省の調査によると、沖縄は非正規雇用率が44・5%と全国一高い。低賃金で不安定な非正規公務員の増加は、県全体の雇用の質をさらに劣化させる。不安定な雇用環境によって厳しい生活を強いられ、ひいては子どもの貧困にまでつながる。
 雇用格差を放置し続ければ、公共サービスが低下しかねない。労働環境を改善するために、市町村に対し、職員定数の見直しをはじめ、諸手当の支給や、本人から申し出がない限り雇い止めできない仕組みを設けるなど早急な取り組みを求めたい。



琉球新報