<社説>甘利氏疑惑 真相解明へ説明責任果たせ

 「政治とカネ」をめぐる問題がまたも浮上した。しかも安倍政権の重要閣僚に関する疑惑だ。

 甘利明経済再生担当相が、都市再生機構(UR)とのトラブル解決の謝礼などとして千葉県の建設会社側から現金計100万円を直接受け取っていたと、週刊文春が報じた。
 文春によると、秘書を含め甘利氏側への現金や接待などは証拠が残っているものだけで1200万円に上る。甘利氏は徹底的に説明を尽くさねばならないことは言うまでもない。
 第2次安倍政権の発足から3年がたつが、政治とカネをめぐる問題がたびたび噴出し、閣僚らの辞任が相次いだことは記憶に新しい。今回の疑惑が事実なら、その中でもかなり重大な問題であろう。
 甘利氏は国会答弁で、大臣室で建設業者と面会したことを認めた。一方で「正確に何をしたのか記憶があいまいなところがある」などと述べるにとどめた。歯切れの悪い印象は否めなかった。
 事務所で現金を受け取ったかどうかについても「事実関係について記憶をたどっている」とかわした。納得のいく答弁には程遠い。
 疑惑について建設会社の総務担当者は「私がURとの補償交渉で甘利事務所に口利きを依頼し、計1200万円を渡した。裏付けるメモや録音データが残っている」とのコメントを出している。
 政治家や秘書が口利き行為をして利益供与を受ければ、あっせん利得処罰法違反になる可能性がある。メモや録音が事実なら、極めて重要な材料となろう。
 文春によると、総務担当者はURから補償金を得られた謝礼として、500万円を甘利氏の公設秘書に渡した。政治資金収支報告書には、うち300万円の記載がない。これも事実なら政治資金規正法違反の疑いも浮上する。
 甘利氏は「しっかり調査し説明責任を果たしていきたい」と強調した半面、「報道で初めて知った」「うちの事務所で本当なんだろうか」とも述べた。人ごとのような答弁に違和感を覚えた国民は少なくあるまい。
 野党からは辞任を求める声も上がっている。安倍晋三首相は、甘利氏が説明責任を果たすべきだとしたが、首相自身の任命責任を含め、問題への対処姿勢が厳しく問われていることを強く自覚すべきだ。自らの政権の度重なる疑惑の解明へ指導力を示すべきだ。



琉球新報