<社説>性被害医療費助成 支援と救済さらに進めたい

 県は県性暴力被害者ワンストップ支援センターに相談した性暴力被害者が診察や処置が必要となった場合、警察への被害申告がなくても医療費を助成する方針を決めた。助成対象は診察費や緊急避妊処置費などを想定し、4月から始める。性暴力被害者の支援策が拡大することを歓迎したい。

 さらに県はセンターを2017年度中に24時間体制の病院拠点型として県立中部病院に整備することにしており、16年度中にセンターの設計、機能や規模などの基本構想を策定するための1798万円を16年度予算に計上した。関係者が求めていた24時間体制の病院拠点型への移行にめどが立ったことも評価したい。
 被害者の身体的・精神的な回復を早期に図ることは支援の重要な要素だ。公費支給が十分担保されなければ、被害者が経済的な負担を理由に医療機関での受診をためらうことにつながる。そうなれば緊急避妊、性感染症の予防的治療などの措置が手遅れとなり、被害者を二次被害にさらすことになる。
 沖縄県警はこれまで、通報してきた性被害者に対する医療費支給を上限を設けずに全額支給してきた。被害者が立て替える償還払いの方法を取らず、県警が医療機関に直接支払う形を取っている。支給は被害届の提出意思の有無を要件にしておらず、専門医によるカウンセリングも実施してきた。県警に通報できずにセンターへ相談した被害者にも医療費助成が実現すれば、二次被害をさらに少なくできる。
 昨年2月に相談業務を開始したセンターにはことし1月31日までの約1年間で、73人から相談が寄せられ、延べ件数は405件に上った。相談内容は強姦(ごうかん)が32%と最も多く、強制わいせつが22%、ドメスティックバイオレンス(DV)が18%と続く。10年以上前の子ども時代の被害を訴える事例もあった。被害者の負った傷がいかに深く、癒えないことを示している。
 現在、センターは月曜日から土曜日までの午前9時~午後5時に電話相談(♯7001番)を受けている。要望に応じて病院、警察、法律相談、カウンセリングなどの関係機関につなげる「連携型」だ。これを県は17年度中に「病院拠点型」による「24時間365日体制」へと拡充させる。関係機関が連携し、被害者の支援と救済をさらに進めてほしい。