新年を迎えて・「普天間」正念場の年に/07年問題、知恵絞って克服を

 新しい年、「亥(い)」の年が明けた。新しい年は、世界も日本も、そして沖縄にとっても昨年から引き継いだ大きな課題の解決に向け新たな局面を切り開くことができるのか、それとも混沌(こんとん)とした情勢に陥るのかの岐路に立たされている。
 世界情勢のキーワードは、今年もイラクと核だ。鍵を握る米国は新年早々からイラクと核で選択を迫られている。
 イラク問題でブッシュ米政権は、超党派の「イラク研究グループ」からイラク政策の見直しを求める報告書を受けて新政策を打ち出す。2001年の米中枢同時テロ以来、テロとの戦いやイラク戦争に強大な武力を行使してきた。だが、イラク情勢は泥沼化し、武力から対話への解決の道に転換できるかどうかが問われている。

◆揺らぐ核不拡散
 核問題では核実験を強行した北朝鮮、ウランの濃縮活動を進めるイランの両国が国連安全保障理事会が採択した制裁決議を拒否、世界は対応に苦慮している。どのようにして局面を打開するのか世界は問われている。
 北朝鮮、イランの核開発で核不拡散体制が揺らいでいる。その責任の一端は、米国の二重基準にもある。米国は核拡散防止条約(NPT)未加盟のインドへの原子力関連輸出に道を開く法律を成立させ、公然の秘密となっているイスラエルの核保有も黙認している。
 世界の非核化に向けては、唯一の被爆国・日本が先導してほしいが、それどころか北朝鮮核脅威を口実に「核保有論議」が閣僚、与党の幹部から飛び交った。ミサイル防衛網も整備される。防衛庁は「防衛省」に昇格する。
 安倍晋三首相は、昨年59年ぶりに教育基本法を改正し、憲法改正を含め、戦後体制からの脱却を目指している。
 その安倍路線を問う統一地方選挙が4月に、7月には参院選挙が行われる。有権者がどう選択、審判を下すだろうか。
 昨年11月の知事選挙で初当選した仲井真弘多知事にも昨年から引き継がれている難問が待ち構えている。その難問の解決に向け新たな局面をどう切り開いていくのか、手腕が問われている。
 米軍再編の最重要課題・普天間代替基地の問題では年明け早々にも、環境影響評価(アセスメント)の方法書が県や名護市、宜野座村に提出される。
 国からは、仲井真知事の「3年以内の閉鎖状態」要求を逆手に取って、アセスメントの手続き短縮の協力が求められている。そして、知事が反対するV字形滑走路案を修正する懐柔策も出されている。
 国との協調路線を模索しているといわれる仲井真知事だが、あくまでも公約に掲げた主張を貫き、県主導で論議を進めてほしい。今年は正念場の年になる。

◆自立経済へ猛進
 基地問題だけでなく、自立経済の確立など県政の課題は山積している。「猪突猛進(ちょとつもうしん)」の勢いで、課題の解決に取り組んでほしい。
 今年は、団塊の世代の先陣を切って「亥」年生まれが還暦、定年退職を迎える。大量の退職者は、少子高齢化時代と相まって、「07年問題」の新しい課題を提起する。
 厚生労働省の日本の将来推計人口によると、50年後には現在より約3800万人少ない、8993万人まで減少する。65歳以上が約41%、現状の倍だ。14歳以下は約8%に減少する。
 こうも人口が減ってくると、世代のリレー方式で若い現役世代が支える年金や医療保険などの社会
保障システムが危うくなってくる。
 企業にとっても団塊の世代の大量退職に伴う退職金の負担増、それに若い人材、労働力の確保が厳しくなってくる。
 知恵を出し合って人口減時代を克服する対策を構築したい。
 団塊世代の退職、人口減時代に向けて、全国各地の自治体の中では移住誘致の運動も始まっている。
 沖縄は人気で、人口減の中、東京などの大都会と並び、人口が増えている地域だ。とりわけ人気の石垣島では不動産取引が活発化、ミニバブルの状況を呈している。八重山公共職業安定所の求職者の約4割は県外出身者だ。
 新たな問題も生む。もともとの住民、移住者にとっても住みやすい地域になるよう行政も一体となって取り組みたい。
 今年は、新しい希望に満ちた年にしたい。