<社説>宮城県知事発言 沖縄の負担を是認するのか

 国益のため、沖縄は今後も過重負担を我慢してもらいたい。そう言っていることにほかならない。

 宮城県の村井嘉浩知事が、米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた海底ボーリング調査について「ベースにあるのはやはり全体の利益のためということだ。沖縄県民の皆さまも理解できない部分があろうと思うが、協力していただければと思う」と述べた。看過できない発言だ。
 放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場問題に関連しての発言だ。処分場問題では国が候補地として提示した宮城県内の3市町が建設に反対しているが、村井氏は4日に国のボーリング調査を受け入れる方針を表明した。
 会見では処分場に関し、辺野古でも住民の同意がなく調査が始まったことへの見解を問われ、「辺野古とは全く次元が違い、同列に扱うべきではない」とした上で、調査に沖縄県民の協力を求めた。
 沖縄は戦後69年、広大な米軍基地の存在に苦しめられ続けた。こうした苦しみを皮膚感覚で理解できないのだろうか。沖縄に犠牲を強いて成り立つ日米安保体制の現実から目を背ける発言だ。納得できない。
 村井氏は本紙が1~2月に実施した全国知事アンケートで、普天間問題について「国政・安全保障に関することであるため、コメントする立場にない」と回答した。今回の会見では「私は物事を判断するときには、自分の損得よりも全体の利益を優先してやってきたつもりだ」とも述べている。
 国防・安保は国の専管だが、日本本土の利益のため、沖縄が負担し続けるのはやむを得ない-という理屈だろうか。個人よりも国家を優先する姿勢がにじむ。
 会見で村井氏は11月の沖縄県知事選にも触れ「辺野古が最大の争点になるだろう。辺野古の問題が一番重視されるのではないか」と語った。知事選結果を政府は顧みずともよい、と言うのではまさかあるまい。
 国土の0・6%に米軍専用基地の74%が集中するのは明らかに不正義だ。そもそも沖縄の海兵隊は復帰前に反基地運動が激化した本土から移駐した経緯がある。
 人ごとでなく、全国の自治体が沖縄の負担をわが問題として受け止めてもらいたい。少なくとも、今後も沖縄に基地を押し付け続けようとする傲慢(ごうまん)な姿勢だけは、改めてもらいたい。



琉球新報