<社説>辺野古集会再び 民意の地殻変動に向き合え

 1956年に米海兵隊基地キャンプ・シュワブの建設が始まって以来、隣接する名護市辺野古の美しい浜を基地建設に反対する人波が埋め尽くしたのは初めてだ。

 沖縄戦後史に刻まれる県民行動となったことは間違いない。
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する2度目の集会が開かれ、目標の3千人を大幅に超える約5500人(主催者発表)が結集した。
 登壇した弁士から「沖縄の尊厳と誇り」「アイデンティティー」といった言葉と不退転の決意が繰り出され、新基地建設の不条理を鋭く突いた。この日の集会の熱気は強固な県民世論を見せつけた。
 安倍政権は沖縄の民意に真摯(しんし)に向き合い、海上でのボーリング調査を直ちに中止すべきだ。
 約50人が乗り込む大型バスが約70台も本島全域から集った。自家用車や徒歩で駆け付けた人も多く、参加者の列が開会後も途切れずに辺野古の浜に続いた。
 中学の同期生有志ののぼりが揺れ、4世代で参加した家族連れ、模合仲間など、主義主張を超えた幅広い世代の参加が目を引いた。幾重ものスクラムが組まれた「沖縄を返せ」の大合唱は壮観だった。
 10年前の当初の埋め立て計画に伴うボーリング調査への反対行動に比べても、日々の集会に参加する市民層が広がり、カンパや差し入れも途切れずに続いている。
 新基地建設への反対行動を取る市民層が明らかに広がり、沖縄の民意に地殻変動が起きているのだ。
 辺野古でのボーリング調査の強行、反対する市民を力ずくで排除し続けている海上保安庁の警備が県民の反発を強めている。さらに、仲井真弘多知事による埋め立て承認を挙げて「辺野古は過去の問題」と言い放ち、11月の県知事選の争点外しに躍起となっている菅義偉官房長官らの民意無視の姿勢が反発の火に油を注いでいる。
 一部の在京メディアや辺野古移設を推進する永田町・霞が関の政治家や官僚から「反対行動を取っているのは県外のプロ市民だ」などと、事実をねじ曲げた印象操作が繰り出されている。この日の辺野古の光景はこうした見方が誤りであることを証明していた。
 辺野古移設の是非は県知事選の明白な争点である。日本は民主主義国家として機能しているのか。沖縄はそれを厳しく問い続ける。