<社説>県庁包囲行動 民意無視の移設許されない

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対の意思を示すために県庁周辺を人間の鎖で囲む「止めよう新基地建設!10・9県庁包囲県民大行動」が開催された。主催者が目標としていた2千人をはるかに上回る約3800人(主催者発表)が集まった。平日の昼間にこれだけ多くの人が集まったことに驚きを隠せない。県民の大多数が辺野古移設に反対し、埋め立てを承認した現県政に怒りを感じていることの表れでもある。

 キャンプ・シュワブ内で建物の解体工事が始まった7月1日以降、建設に反対する集会はこれで3回目の開催となった。8月23日のシュワブゲート前での集会には約3600人(主催者発表)、9月20日の辺野古の浜での集会には約5500人(同)が駆け付けた。全て主催者の目標を上回る人々が集まっている。今回の県庁包囲を含めると、約1万2900人が集会で辺野古移設に異議を唱えた。
 仲井真弘多知事は包囲行動に約3800人が集まったことの感想を問われると「そんなに集まったのですか」と述べ、包囲行動中は「(県庁内に)いなかった」、感想は「ノーコメント」と話している。何も答えていないに等しく、まるで人ごとだ。自身の埋め立て承認で始まった工事に「ノー」を突き付けられたのだから、自身の見解を述べるべきだろう。
 県は現在、沖縄防衛局から出された埋め立て工法の変更申請を審査している。申請には移設反対の名護市の関与を避けるかのように、辺野古ダム南側で採取する土砂をダンプカーに積載し、国道329号を通って埋め立て予定地に運ぶことを盛り込んだ。約10カ月の間に1日平均592台、延べ約10万8千台のダンプカーが国道を往来して65万立方メートルの土砂を運ぶのだ。
 当初の申請では「ダンプトラックの使用を最小限に抑え、交通安全や周辺地域へ環境負荷低減に配慮している」との方針を示していた。変更申請は「環境負荷低減に配慮」の前提を防衛局自ら崩すことになっている。環境配慮をほごにした変更申請を簡単に承認できるはずがない。県は11月16日の県知事選まで結論を出すべきではない。
 8月末の県内世論調査でも80・2%が「移設作業は中止すべきだ」と回答している。これ以上、民意を無視して移設作業を進めることは許されない。