<社説>米軍基地跡地汚染 有害物質投棄認めるべきだ

 沖縄市サッカー場で2月に掘り起こしたドラム缶から土壌汚染対策法の基準値を大きく超える複数の有害物質が検出された。沖縄防衛局が調査するたびにドラム缶は増えており、有害物質はまだ埋まっている可能性がある。

 サッカー場が米軍基地返還跡地であること、過去にも有害物質を埋めた事実からすれば、米軍が埋めたと考えるのが自然である。
 米陸軍化学物質庁の2003年報告書は、1972年までドラム缶2万5千本分に上る枯れ葉剤が県内に貯蔵されていたとしている。「除草剤などのドラム缶を捨てた」など、複数の退役軍人らの証言もある。
 だが、米国防総省は2013年、「沖縄の枯れ葉剤疑惑に関する調査」報告書で関与を否定している。環境汚染が明らかになったことから責任逃れをしたとしか受け取ることはできない。有害物質を投棄した事実をいいかげん認めるべきである。
 今回見つかったドラム缶の1本からは、発がん性を指摘されるジクロロメタンが基準値の45万5千倍の濃度で検出された。防衛局は「原液に近い状態で廃棄された可能性がある」と指摘している。
 有害物質の適正な処分に対する米軍の意識は極めて低いと言わざるを得ない。
 毒性の強いダイオキシン類などの入ったドラム缶が最初に見つかったのは13年6月のこと。既に1年9カ月が過ぎた。防衛局には調査の徹底的な実施と有害物質の回収、汚染土壌の浄化を早急に終わらせるよう求めたい。
 米側も土地を使用していた当事者として有害物質の埋まった土地の使用履歴を公表すべきである。公表しないのは不都合なことがあるからとみられても仕方なかろう。
 本来なら米側が汚染の原因者として全ての責務を負うべきだが、ここでも米側の優位を保障する日米地位協定が大きな壁となっている。4条1項は米側に原状回復の義務を課さず、補償義務も負わせないという極めて理不尽な内容である。
 当然改定すべきだが、安倍政権は逆の道を突き進んでいる。日米両政府は14年10月、米軍基地内の環境保全事業の経費までも日本側が負担することを盛り込んだ特別協定に実質合意している。
 日本はこれで主権国家といえるのだろうか。日米地位協定を早期に抜本改定すべきだ。