<南風>東京五輪への沖縄・空手のアピール


社会
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 南米初のリオデジャネイロオリンピックが205カ国1万1千人の選手の参加の下、盛大に幕を閉じたことは記憶に新しい。多くの方が毎晩遅くまでテレビにくぎ付けになり、日本選手の活躍とメダルラッシュに酔いしれたと思います。

 4年後、われわれは56年ぶりに開催される東京オリンピックで同様な興奮、いやそれ以上の興奮を再び味わうことができるのではないでしょうか。きっと日本中がオリンピック一色に染まり、マスメディアを通して日本選手の活躍やメダル獲得シーンが華やかに報道されるはずです。皆さんはその中に「わがウチナーンチュが何人いるのか」を想像したことがありますか。

 昨年8月のIOC総会において、「空手」が新種目として東京五輪に正式採用され、空手発祥の地沖縄でも大々的に報道されました。ご承知の通り、本県を代表する喜友名諒選手はナショナルチームに所属、昨年11月には第23回世界空手道選手権大会で個人形2連覇、団体形の2冠を達成しました。12月には天皇陛下のご観戦のもと、天皇杯、皇后杯が下賜される第44回全日本空手道選手権大会で5連覇の偉業を成し遂げました。

 喜友名選手は、「世界を知る」佐久本嗣男先生の指導の下、私生活の全てを空手にささげ、肉体的・精神的にも極限の鍛錬をし、空手発祥の地沖縄の誇りを背負って世界と戦い、県民に「夢」と「希望」を与え続けています。今、メダルに一番近い喜友名選手が東京五輪で金メダル獲得を目指すためには、今後、経済的支援、指導体制、練習環境等の保障が重要になります。

 喜友名選手の活躍は3月に開館する沖縄空手会館や本場の沖縄空手を世界にアピールするチャンスとなり、その集大成として全世界に「沖縄ブランド」を示せる絶好の機会となるのが、「2020東京オリンピック」ではないでしょうか。
(田村正人、県空手道連盟強化委員長、県立前原高校教諭)