<南風>人は褒めて成長する


社会
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 今回は最後のコラムです。最後に、私の教育の失敗談をお話ししましょう。

 私は一時期教職なども勤めていましたので、人の指導や教育には、過去の経験から少しは自信がありました。しかし、人を育てることについて自分がいかに下手であるか、気づかされた出来事があります。

 私には娘が2人います。次女が小学生の時に猫か犬を飼いたいと言ってきましたが、動物を世話できるか心配で勧めませんでした。結局、次女は一人でいることが多かったので、犬を飼うことに決めました。当初は私にもすぐになついてくれると思っていましたが、最初の印象が悪かったせいか、2年たってもあまりなついてくれません。

 妻や娘たちからは、お父さんは育てることが下手と指摘され、犬を育てるには「叱る」「褒める」をきちんと教えてあげないとなつかないと言われました。妻が犬を「叱る」「褒める」様子を見ていると、小学生の時に子どもたちを「褒める」「叱る」のと同じように接していました。

 私の場合は、いつも「叱って」ばかりで「褒める」ことをしていませんでした。「褒める」よりも娘たちのお願い事を聞いてあげれば成長するだろうと思っていました。やはり、子どもを育てるには「褒める」ことがいかに大事か思い知らされました。今は子どもたちが頑張ったら「褒める」ように努めていますが、まだまだですね。

 娘が通う石嶺中学校では、動物や植物を育てる環境づくりに力を入れています。生き物を育てることで子どもたちが多くのことを経験し、思いやりのある人に成長していくでしょう。

 よく言われていますが、人を育てるには「褒める」ことが大切です。いろいろな方法がありますので、これから子育てをする保護者の皆さんには、ぜひ「褒める」教育をお勧めします。
(石川謙、県PTA連合会会長)