社会

海保拘束後に嘔吐 船長「4人が押さえ込む」

大浦湾上で海上保安官に取り囲まれる磯村正夫さん=18日午後2時20分ごろ(ヘリ基地反対協議会提供)

 【辺野古問題取材班】名護市辺野古の新基地建設計画をめぐり18日、海上作業が続く大浦湾で、工事区域を示す油防止膜(オイルフェンス)を越えた抗議船の船長磯村正夫さん(62)=名護市=が海上保安官に拘束された際、意識がもうろうとし、その後嘔吐(おうと)するなどして市内の病院に緊急搬送された。磯村さんは搬送後、意識を回復した。一方、第11管区海上保安本部は「乗船者が興奮して保安官を突き飛ばすなどしたため」などと説明している。

 磯村さんはこの日午後2時ごろ船を操縦し、オイルフェンスを越えて抗議した。海上保安庁のゴムボート2艇が挟み、1艇から保安官ら4人が乗り込んだ。
 同乗者によると、抵抗する磯村さんから船の鍵を取ろうと4人が押さえ込んだ。約10分後には磯村さんはぐったりした状態で抵抗しなくなったという。
 同乗者は救急車を呼ぶように求めたが、海保側は「本人が求めていない」「本部の指示がない」などと応じなかったいう。名護市消防本部によると、市民側から最初に救急車の要請があった。汀間漁港に向かう途中で磯村さんは嘔吐した。
 市内の病院に搬送されたが、午後6時すぎに意識を回復して退院した。磯村さんは「4人で押さえ付けられて鍵を握っている指を1本ずつ外されたのを覚えているが、それ以降の記憶がない」と話した上で「抗議する人たちを力で押さえ付けようとする保安官もいることが分かった」と語った。ヘリ基地反対協議会は11管に抗議する方針。
 一方、11管は「臨時制限区域内に進入し、危険な工事現場に向かおうとしたため保安官が乗り込んだ。乗船者の1人が興奮して保安官を突き飛ばすなどしたため、落ち着くよう説得を繰り返した。気分が悪そうだったため(海保側からも)汀間漁港に救急車を要請した」と説明。「けがを負わせたという事実は確認されていない」と述べた。
 船に同乗していた北上田毅さん(69)は「呼んでも反応がなく、吐いた時は危険だと思った。屈強な保安官4人で1人を押さえ付けるのはひどい」と話した。別の抗議船を操縦していた牧志治さん(65)は「民意を無視する政府の姿勢が海保の過剰警備にも影響していると感じる。私たちは非暴力、不服従を貫きたい」と語った。