不発弾で3歳の女児と作業員ら4人が死亡した事故… 45年前の沖縄で起きた悲劇を語り継ぐ 関係者が石碑を除幕


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聖マタイ幼稚園そばで発生した不発弾爆発事故を後世に語り継ごうと、小禄病院が設置した石碑を囲む関係者ら=5日午後、那覇市小禄の小禄病院

 45年前に那覇市小禄の聖マタイ幼稚園そばで発生した不発弾爆発事故を後世に語り継ごうと、事故現場にある小禄病院が石碑を建立した。

 5日、小禄病院や同幼稚園関係者らが集まり、石碑の除幕式が行われた。小禄病院を運営する医療法人禄寿会の高江洲良一理事長は「戦争は絶対にやってはいけない。石碑を設置し、事故を風化させない」と誓った。

 事故があったのは1974年3月2日。同幼稚園そばの下水道工事現場で重機が鉄くいを打つ中、日本軍が使用した機雷に触れて爆発した。3歳の女児や作業員ら4人が死亡、34人が重軽傷を負った。

 幼稚園はその後、豊見城市に移転。事故現場には小禄病院が建てられた。これまで現場に石碑などはなかったが、同病院が10月で創立30周年を迎えたことから、記憶に残そうと石碑の建立を決めた。

 同幼稚園の真栄城美子園長は「(設置を)長いこと願っていた。こういう形で残されることでほっとしている」と歓迎した。小禄地区自治会連合会の上原行雄会長は「県民は数カ月程度の地上戦で地獄のような経験をした。われわれは事故の記憶を若い世代に語り継ぐ責務がある。石碑建立は後世への反戦・平和意識の継承の上からも意義深い」と思いを込めた。