普天間飛行場からPFOS泡消火剤漏出 米軍、消火システム誤作動と説明 量明らかにせず


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 沖縄県は9日、米軍普天間飛行場内で5日午後、有機フッ素化合物の一種PFOSを含む泡消火剤が漏出していたと発表した。米軍から知らされた沖縄防衛局が県と宜野湾市に伝えた。県によると、米軍は格納庫内の消火システムが誤作動を起こしたと説明しているが、漏出量や誤作動の原因は明らかにしていない。

 防衛局は9日、本紙取材に対しPFOSが含まれていたことを認めた。一方、県内では別種の有機フッ素化合物も検出されているが、今回漏出した泡消火剤に有機フッ素化合物などの有害物質が含まれていたかどうかは明らかにしなかった。県と市は防衛局に漏出の詳細を問い合わせている。

 防衛局は取材に対し「漏出したほぼ全ての泡消火薬剤は現地担当者が除去しており、環境への影響などの懸念もない旨の情報提供を受けている」と答えた。米側は、基地外への漏出は「確認されていない」と説明しているという。

 防衛局は「県民の皆さまが不安を抱いていることは重く受け止めている。米側に再発防止の徹底を求め、皆さまの不安を払拭(ふっしょく)できるよう県と米側、関係省庁と連携していく」と述べた。

 PFOSは日本国内で原則、製造・輸入が禁止されている。県内の米軍基地周辺で高濃度のPFOSが検出され問題となっている。日本政府は米軍にPFOSを含まない製品に入れ替えるよう要請し「米側においては早期の交換に向けた作業を進めている」と説明してきた。