クルーズ船寄港中止で1万2千人超に影響 新型肺炎、沖縄観光を直撃 旅行キャンセルは4700人超


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沖縄ツーリズム産業団体協議会であいさつをする沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長=28日、豊見城市の沖縄空手会館

 新型コロナウイルスによる肺炎拡大で沖縄の観光産業にも経済的な影響が広がる事態を受け、県内の観光団体などで組織する沖縄ツーリズム産業団体協議会が28日、豊見城市の沖縄空手会館で緊急会議を開いた。中国政府が海外旅行の禁止に踏み切った影響や沖縄から中国への旅行の中止により、県内の旅行会社に少なくとも4742人分の予約キャンセルが入っていることが報告された。

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の集計で、28日時点で大型クルーズ船4隻が寄港を取りやめ、影響は計1万2千人に上る。29日に那覇港に入港する2隻のクルーズ船には乗客が乗っておらず、貨物だけ積み降ろしするという。OCVBの把握する団体旅行のキャンセルは58件1630人となっている。

 会議の出席者からは「中国客の減少を穴埋めするために新たなマーケットの開拓が必要だ」「従業員の感染防止の手法について統一見解を示すべきだ」などの意見が上がった。

 全国旅行業協会県支部によると、会員企業では3月までに中国客3240人のキャンセルが出た。沖縄から中国への旅行キャンセルは210人だった。日本旅行業協会沖縄支部でも、3月までに中国からの旅行客324人と、中国へ向かう県内客968人が旅行をキャンセルした。

 両支部とも会員からの報告を集計中で、人数はさらに増える見込み。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合は会員約120社を対象にアンケートを実施し、回収率1割程度の段階で約2千人の宿泊キャンセルが確認された。

 県ホテル協会は状況の確認中だが、當山智士会長によると、約4千人で1万泊程度のキャンセルになるとの見方がある。沖縄リゾートウェディング協会では、中国客の挙式2件の中止、2件の延期を確認した。