河野沖縄相「基地を無視して振興語れぬ」「私は『ひっくるめ論』と言いたい」


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河野太郎沖縄担当相

 【東京】河野太郎沖縄担当相は17日に内閣府で行われた就任記者会見で、2021年度まで毎年3000億円台の確保が約束されている沖縄関係予算について「これだけの振興予算を使って結果どうなのか。今までのやり方でいいのか、別のやり方があるのか。一度きちんと見ていく必要がある」と述べ、事業内容を精査していく方針を強調した。沖縄振興と米軍基地の受け入れを関連付ける「リンク論」について「基地問題があるので、それを無視して沖縄振興を語る訳にはいかんと思う」と語り、「私は『ひっくるめ論』と言いたい」と独自の表現を使った。

 河野氏は19日に来県し、玉城デニー知事と面談する意向を示している。

 河野氏は沖縄振興に関連して、全国最下位の1人当たり県民所得や若年層の失業率の高さといった県経済の課題を指摘。沖縄関係予算で「これまでやってきたことの延長線でいいのかどうか、ということはきちんと見ていかなければいけない」と認識を語った。

 振興の方向性については、製造業の誘致は「(県外との輸送)距離を考えると厳しい部分はあるのかもしれない」とした。一方、情報通信や金融、沖縄科学技術大学院大学をはじめとした科学技術関連は「あまり距離をハンディとしなくても本来は済むもの」だと述べ、成長の可能性を示唆した。

 県経済をけん引する観光業は、新型コロナウイルス感染症の影響で「当面、急上昇という訳にはいかないかもしれないが、非常にポテンシャルはあると思う」と述べ、引き続き発展を図る考えを示した。