辺野古新基地建設で平行線 岸防衛相、知事らと会談


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岸信夫防衛相(左)に要望書を手渡す玉城デニー知事=22日午後、県庁

 来県している岸信夫防衛相は22日、玉城デニー知事や在沖米軍トップのクラーディ四軍調整官、基地所在市町村の首長らと面談した。玉城知事と岸防衛相は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設や米軍那覇港湾施設(那覇軍港)を巡り意見を交わしたが平行線だった。辺野古新基地建設について玉城知事は「民意を受け止めて」と新基地建設の中止を求めた。一方、岸防衛相は「辺野古移設が唯一の解決策だ」と主張した。

 玉城知事は、「県の提案を真剣に受け止めて普天間飛行場の一日も早い危険性の除去に早急に取り組んでほしい」と強調した。岸防衛相は抑止力の維持が必要だと説明した。

 玉城知事は日米両政府に県を加えた3者での協議の枠組み「SACWO(サコワ)」の設置を求めたが、岸防衛相は「米国との交渉は政府が行うので、SACWOをすぐに作ることは考えていない」と述べた。

 那覇軍港について、玉城知事は遊休化に言及し、浦添市への移設と切り離して返還を実現するよう要請した。岸防衛相は「施設の機能を浦添市に建設される代替施設に移した後、返還されることが決まっている。この返還条件を満たすよう進めることが返還に向けた早道だ」と否定した。