サッカー明治安田J2の第29節は25日、各地で行われ、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで京都サンガF.C.と戦い、2―1で勝利した。8勝15敗6分けで勝ち点30。順位を18位に上げた。2試合ぶりの勝ち星で、ホーム2連勝となった。
次戦は11月1日午後2時から、埼玉県のNACK5スタジアム大宮で大宮アルディージャと戦う。
◆FW阿部が好機逃さず決勝点
0―1で折り返した後半。FW阿部拓馬は「このままいけば逆転できると信じていた」という気持ちでピッチに入った。前半の立ち上がりこそ相手にかき回されたが、20分ごろにはそれぞれがバランスの良い距離感を保ちつつ、攻撃を組み立てて決定機まで至るようになっていた。
後半2分、DF知念哲矢が低い弾道の縦パスを入れると、阿部、MF池田廉が見送り、右サイドの風間宏矢がフリーで受ける。ドリブルしてGKとの1対1を右足で落ち着いて決めた。
攻勢を緩めず22分、DF李栄直のロングパスを裏に抜けた池田が受ける。池田は守備に阻まれてシュートできなかったが、詰めていた阿部がこぼれ球を左足で流し込んだ。
守備ではJ2最多得点のピーター・ウタカには組織的に対応し、試合終盤にはウタカを中盤にまで下げさせた。
知念は「常に声掛けした」と味方と連係し、「ウタカだけにならないようにした」と他の選手もマークした。敵の攻撃を防いでガッツポーズするなど高い集中力を見せた。
7試合ぶり11得点目のゴールに阿部は「得点はうれしいが、チームで取れたことがうれしい」と話す。チームプレーに徹してホーム2連勝に貢献した。
(古川峻)
(2)タピスタ(1勝1敗)
琉球 8勝6分け15敗(30)
2―1(0―1,2―0)
京都 11勝8分け10敗(41)
▽得点者 【琉】 風間矢(7)阿部(11)【京】 仙頭(2)
▽観客 1442人
【評】開始4分に隙を突かれるように先制される。徐々にボールを回し始め、後半2分に同点に持ち込む。流れをつかみ22分、阿部拓馬が決勝点をあげた。京都も見せ場をつくるが、ダニー・カルバハルの好セーブなど集中した守備でしのぎ、後半は琉球ペースで進めた。
◆逆境はね返した
樋口靖洋監督(琉球)の話 ホームで連勝でき、まずはサポーターに感謝したい。立ち上がりの失点は修正しないといけない。ただ今までなら連続失点など逆境をはね返せなかったが、今回は選手がアグレッシブにボールを動かすサッカーをしてくれた。
◆打つべき手打てず
實好礼忠監督(京都)の話 たくさんのファンに足を運んでいただいた中で残念な思いでいっぱいだ。立ち上がりで先制してスムーズに入れたが、その後で落ち着いて試合を運べなかった。後半の立ち上がりの失点から自滅のような形でバランスを崩した。打つべき手を打てなかった。