自転車、謝花がスプリント頂点 3キロ追い抜きは神谷がV 池原は女子トラック4冠 県高校新人大会


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スプリント決勝 最後の直線で外側から前に出る沖縄工の謝花勇哉(左)=17日、県総合運動公園自転車競技場(長嶺真輝撮影)

 県高校新人大会は17日、県内各地で3競技が行われた。自転車の男子スプリントは前日の予選で県記録を出した謝花勇哉(沖縄工)が優勝し、男子3キロ個人追い抜きは神谷佳辰(同)が3分57秒034で頂点に立った。女子では池原杏(北中城)が2キロ個人追い抜き、スプリント、スクラッチを制し、初日と合わせてトラック種目4冠を達成した。ボートの男子ダブルスカルでは松田大和・比嘉琢間ペア(美里工)が7分32秒16で優勝した。テニスの団体は、男子は沖縄尚学と首里、女子は沖縄尚学とコザが決勝に進んだ。

謝花、爆発力で一気加速

 2戦先勝方式のスプリント決勝2回戦。最終コーナー手前で、1回戦を制した謝花勇哉(沖縄工2年)が一気に加速した。勢いそのままに、曲がりながら大嶺拓人(北中城2年)を外側から抜きにかかる。立ち上がりで前に出ると、歯を食いしばり、必死の形相で車輪を回した。「しゃーっ!」。ゴールラインを切ると、歓喜の雄たけびがバンクに響いた。

 大嶺は1年の頃から競い合ってきた良きライバル。力を認める相手だからこそ「自分は体力の回復が遅い。3回戦までいってたら負けていたかもしれない」と、ほっとした表情で優勝をかみしめた。

3キロ個人追い抜き コーナーで加速していく沖縄工の神谷佳辰

 前日の予選では10秒761の県記録をたたき出した謝花。165センチで56~57キロとスプリンターとしては細身だが、爆発力は本物だ。高校で競技を始め、昨秋から元実業団選手の渋谷久路さんが沖縄工の外部コーチに就き「こぎ方やコース取りを教えてもらい、タイムが2、3秒伸びた」と力を付けた。渋谷さんも「2年生でこのタイムは全国でも5人もいない」と将来性の高さに目を見張る。

 目標は高い。「来年の全国選抜や全国総体で優勝したい」。成長著しい新星が、頂へと駆ける。
 (長嶺真輝)

神谷、自ら追い込み成長

 出場選手中、唯一の3分台である3分57秒034で3キロ個人追い抜きを制した神谷佳辰(沖縄工)。全種目を通じ、県大会で初めて優勝した。練習では3分52秒台を出していたため、記録に対する悔しさもあったというが「1位を取れたことはうれしい」と初々しい表情に笑みを浮かべた。

 5月の県総体は2位で「優勝したい」という気持ちを強くした。昨年末の県選手権でロードを制した屋宜佑と練習を共にするようになり、トラックでもインターバル練習で自らを追い込んできた。「県で勝ちを重ね、その後に九州、全国を目標にしたい」とさらなる成長を誓った。

勝ち切れて自信に

池原 杏

 女子のトラック種目を全て制し、4冠を達成した池原杏(北中城)の話 タイムを競う3種目は緊張で自己ベストを出せなかった。九州や全国に向け「絶対勝てる」と思えるくらいの練習を重ねたい。スクラッチで他選手と競って勝ち切れたことは自信になる。