公認心理師に沖縄県警4職員が合格 「少年少女に寄り添いたい」


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国家資格「公認心理師」に合格した(右から)仲里紗苗さんと山川東子さん、高江洲加代子さん、平田麻衣子さんと県警の幸喜一史生活安全部長=18日、県警

 被害者や少年の心に寄り添った支援に向け、沖縄県警職員4人が国家資格「公認心理師」を取得した。2015年の公認心理師法成立に伴ってつくられた国家資格で、県警職員の合格は今回が初めて。4人は「心理学の専門的な知見を生かして少年の支援に取り組みたい」と意気込む。県警少年課の高島久典次席は「子どもたちの精神的な負担の軽減につながることを期待している」と語った。

 公認心理師は、心理学の専門知識を生かし、支援を必要とする人の心理状態分析や相談、情報提供などで支援する。

 資格を取得した4人は少年課巡査部長の平田麻衣子さん(34)と宜野湾署少年補導職員の仲里紗苗さん(38)、少年サポートセンター少年補導職員の高江洲加代子さん(56)と山川東子さん(46)。

 4人は非行少年の居場所づくりや相談に乗るなど、支援に携わってきた。4人は「非行する少年の心をもっと理解したい」との思いから受験を決めた。

 平田さんはバスでの通勤時間を利用して勉強した。週1日や昼休みの30分も試験勉強に充てた。

 仲里さん、高江洲さん、山川さんは他の少年補導職員と一緒にリモート勉強会を開催。学ぶ範囲は法律や行政、福祉、医療、教育など幅広いが、仲間と励まし合って乗り切った。

 平田さんは「合格したが勉強は始まったばかり。知識を深め現場に生かせるようにしたい」と強調した。仲里さんは「改めて心理の難しさを知った。今後も切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と語る。

 高江洲さんと山川さんは少年補導職員を約18年務めてきた。「試験勉強を通して、子どもたちの非行の原因について多角的に考えられるようになった」と高江洲さん。山川さんは「これからも勉強を継続し、関係機関と協力しながら子どもたちの支援に取り組みたい」と抱負を述べた。

 公認心理師の資格を取得するためには大学院などで専門科目を学ぶ必要があるが、法施行後の特例措置として2022年度まで被害者や少年の支援に関わる実務経験が5年ある人も受験できる。4人は特例措置を利用した。合格を受け、県警の幸喜一史生活安全部長は18日、県警本部で4人を表彰した。 (友寄開)

 ※「高島」の「高」は「はしごだか」