兵庫と沖縄、絆語る 辺野古阻止へ支援表明 新報移動編集局フォーラム


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
兵庫の県人の歴史や現在の沖縄への支援などについて話し合う登壇者ら=16日、尼崎市のアルカイックホール

 【兵庫】沖縄県人会兵庫県本部創立70年記念琉球新報移動編集局フォーラム「絆深めて-兵庫・沖縄県人社会の歩みと未来」(主催・琉球新報社、沖縄県人会兵庫県本部)が16日、尼崎市で開かれた。フォーラムでは戦後、兵庫県民を巻き込んで故郷沖縄の支援に取り組んだ同県人会の道のりを振り返り、辺野古新基地建設などの問題でも沖縄へ支援を表明する意見が出された。170人が参加した。

 基調講演した作家、元外務省主任分析官の佐藤優氏は、伯父で同県人会会長として復帰運動を主導した上江洲久(かみえすひさし)氏を語り「伯父は琉球王国の歴史、琉球処分、ソテツ地獄、戦争につながる流れを学び、自己決定論に到達したと思う」と述べた。「沖縄にとって死活的に重要なことは沖縄人の了承なくして進められない。辺野古新基地を阻止することはまさにアイデンティティーの問題だ」と訴えた。
 パネルディスカッションは潮平芳和琉球新報編集局長を進行役に、大城健裕沖縄県人会兵庫県本部会長、宮城亜輻同副会長・尼崎市議、嘉数昇明元副知事、佐藤氏が登壇した。
 大城氏は名護市辺野古で進む新基地建設について「民意の反対にもかかわらず強行することは兵庫でできるだろうか。沖縄だったら良いというのは差別だ」と訴え、「沖縄が本土並みとなるまで県人会活動を続ける」と述べて拍手を浴びた。
 宮城氏は青年部の活動を通して2世、3世が絆をつないでいる事例を報告し、「沖縄人アイデンティティーの継承者の一人として頑張る」と述べた。
 島田叡氏事績顕彰期成会長でもある嘉数氏は「兵庫と沖縄の縁を大事にし、若者にもつなげ共有するよう努力する」と述べた。