伊江小麦で新ビール オリオン連携「新たな味」


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 【伊江】伊江島産小麦を一部使用したクラフトタイプのビール類試作品の開発を進めているオリオンビール(嘉手苅義男社長)は2日、伊江村内で伊江島産小麦を使った料理を提供するレストラン「いーじまとぅんが」で試飲会を行った。

 名城政英副村長やJAおきなわ伊江支店の友寄千成支店長、同村の小麦生産者ら関係者が招かれ、同社の醸造技術向上チームメンバーら9人と試作品を味わいながら交流し、意見・情報交換をした。
 試作品は酵母にこだわり、原料に伊江島産小麦を一部使い、大麦麦芽とほぼ同量の小麦を使用した同社初の商品。苦味を感じさせずフルーティーな香りを醸し出す飲み口、後味にスパイシーさを残して、すっきりした味わいが特徴。同社の工場に併設するオリオンビール園「やんばるの森」の試飲調査結果でも好評という。
 醸造技術向上チームの平良昭アドバイザーは「チームが要望し、こだわりを持って造った商品。伊江島の小麦生産者の努力とわれわれ技術者が融合して沖縄の新しい商品ができた」と話した。小麦生産者の一人で同村農業委員会の玉城増生会長は「おいしい。自信を持って勧められる。自信を持って麦を生産できる。楽しくなってきた」と喜び、「いーじまとぅんが」を運営する玉城堅徳社長は「約2年前から造りたかった思いが実現できて感激している」と発売を待ち望んだ。(中川廣江通信員)

伊江島産小麦を一部使用した試作品の試飲会で乾杯を交わす参加者=2日、伊江村のレストラン「いーじまとぅんが」