6日に87歳で亡くなった女優の平良とみさんの通夜が7日夜、宜野湾市の自宅で営まれ、親族や親しい知人らが訪れた。弔問客らは「長生きしてほしかった」「後は心配しないで」と語り、別れを惜しんだ。
着物が好きだったというとみさん。お気に入りの絹の着物に身を包み、ひつぎに納められた。弔問客は「眠っているようなきれいな顔だ」と口をそろえた。周囲には自身や夫進さん(80)の舞台写真などが飾られた。進さんは弔問客に気丈に振る舞っていた。
長男勉さん(62)は自身の誕生日にとみさんを失った。弔問客に励まされた勉さんは、とみさんの1年近い療養生活を「一時意識がなかったが、少しずつ回復していた。最期は静かに息を引き取った」と振り返った。「一家のあるじだった。もっと長生きしてほしかった」と悲しみをこらえながら語った。
最後の舞台となった2014年の「五人の母」で共演した金城真次さん(27)は「私たちがいるので進さんのことは心配しないで」ととみさんに語り掛けたという。「もっと舞台を見たかったし習いたかった。最後に共演できて光栄だ」と惜しんだ。
午後9時すぎには映画「ホテルハイビスカス」などで共演した蔵下穂波さん(22)と中江裕司監督が訪れた。蔵下さんは「今、言葉にするのは難しい」と話した。