全盲の外間さんケアマネ合格 介護患者、家族に光


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修試験に合格した外間久生さん=那覇市古波蔵のゆい鍼灸整骨院

 全盲の外間久生(ひさお)さん(61)がこのほど、介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修受講試験に合格した。合格率1割の難関に2度目の挑戦で合格。2、3月に実務研修を受けて資格取得、登録となる。県内で登録されているケアマネのうち、視覚障がい者は1人。資格を取得すれば視覚障がい者では2人目になる。はり・灸(きゅう)、マッサージの治療院を営む外間さんは「患者さんに介護保険の知識を伝え、介護生活を楽にしてあげたい」と話す。

 外間さんの治療院に通う患者の中には家族を介護していて腰や肩を痛めた人が少なくない。こもりきりになっていて体が動かなくなった高齢者もいる。そのような患者や家族の多くが介護保険にはどんなサービスがあるのか知らないことに外間さんは気付き、介護保険についてアドバイスできるようになりたいと2013年秋から勉強を始めた。
 勉強法は過去問を聞いて何度も解くこと。視覚障がい者用のデジタル録音図書化された最新の過去問を、家の中はもちろん、仕事の合間も解いた。夏からは週3回、県視覚障害者福祉協会の対面音訳ボランティアに試験問題を読んでもらい、勉強に励んだ。「音訳ボランティアの方が目の前で読んでくれるので、1人で勉強するより集中できた。そのおかげで合格できた」と感謝する。
 試験は晴眼者が2時間に対し全盲の外間さんは3時間。ほかの受験者とは別室で試験官と回答を書き取る人が付いての受験だった。「3時間集中するのは大変だった。指も痛くなった」と苦笑いする。
 2月から始まる研修は晴眼者と一緒に受講する。現在はそれに向け、テキストの内容を予習している。「人の3倍はやらないとね」と意気込む。「障がいがあるから何もできないと閉じこもっていては駄目だ。挑戦することで生きていくことは楽しくなる」と声を弾ませた。(玉城江梨子)