「芸術は生きる力に」 脳科学者・茂木さん講演


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星空の下、たき火を囲んでいるという設定で芸術世界について語り合う(左から)名嘉睦稔さん、茂木健一郎さん、井浦新さん=18日、浦添市てだこホール

 脳科学者の茂木健一郎さんが18日、浦添市てだこホールでの新春講演会「芸術脳」(同実行委主催)で講演し「芸術は生きるつらさを和らげる。芸術に触れることは他人を理解することになる」と語った。俳優の井浦新さん、版画家の名嘉睦稔さんとの「芸術世界」をめぐる対談もあった。

 講演会は2部構成。1部で茂木さんは「一生ずっと幸福という人はいない。脳には苦しい、つらいを情熱に変換する機能がある」と説明し「つらいこと、苦しいことがあっても芸術に昇華することで心のバランスを取り、生きる力に変えられる」と話した。
 また「幸せとは一言で言うと自分を受け入れること。自分を理解するには他人と出会うことが必要。芸術に描かれた他人の経験を通して自分を知ることができる」と芸術の力を語った。
 NHK番組「日曜美術館」の司会を務める井浦さんは「物をつくる人に共通しているのは純粋さ。受け取る側も純粋な心で向き合ったらつくった人の思いを少しでもつかめるのでは」と話した。