経済

交通体系 住民視点で 鉄軌道シンポ 北部の将来像、共有必要

 【北部】北部地域への鉄軌道導入による経済振興の可能性を考えるシンポジウム「沖縄本島縦貫鉄道と北部振興」(北部振興会主催)が19日、名桜大学多目的ホールで開かれた=写真。池田孝之琉大名誉教授の基調講演や首長、経営者らが参加した討論会があり、人口定着率が課題とされる北部で、鉄軌道を延伸することによる観光面を含めた産業振興への期待だけでなく、住民視点に立った交通体系の構築が生活力向上に重要だとする意見があった。

 シンポジウムには北部各地の首長や議長、企業関係者ら約350人が参加した。林優子名桜大上級准教授、北部市町村会副会長の當眞淳宜野座村長、狩俣吉正元連合沖縄会長、前田産業ホテルズの前田裕子社長が登壇した。
 林氏は「鉄軌道は名護までは来るかもしれないが、それより北も含め、コミュニティー同士を結ぶ形として、生活の糧にする方向で実現できたらと思う」と北部全域の地域活性化の視点を示した。
 當眞氏は鉄軌道に関し「生まれ育った地域で住み、子育てもできる環境づくりが振興につながる。そうした鉄軌道の整備を考えてほしい」と住民目線の議論を促した。
 狩俣氏は人流や物流を含め「何のために鉄軌道を通すかが大事だ。沖縄の鉄軌道はこれが見えない。北部で何を運ぶかだ。支線のLRT(次世代型路面電車)を先行させることもできるだろう」などと北部全体で鉄軌道をどう活用するのか描く必要性を提言した。
 前田氏は「観光客と通勤、通学など誰が、何のために使うのかイメージは共有したい」と話した。
 シンポジウムに先立ち、池田氏が基調講演。池田氏は、那覇―名護間で通学、通勤が可能な環境になれば観光効果に加えて、企業立地や雇用拡大にもつながるとし、バスなど既存の乗り物との連携拠点の在り方などを含めた社会実証の実施を求めた。



琉球新報