ネットで援交4人補導 金銭目的、危機意識薄く


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 援助交際などを目的としたインターネット上の書き込みに対し、警察官が身分を隠してやりとりし補導する「サイバー補導」で、県警は21日、未成年の少女4人を補導したと発表した。動機は主に金銭目的で、「ワリ(金銭で割り切った出会い)できる人募集、18歳で条件はF(口淫)ゼロ7(7千円)」などと隠語を使用して書き込んでいた。県警少年課は「未成年者は現実社会では見知らぬ人に会わないのに、ネットの世界を通じると知らない人と会う危険性を軽く考える傾向にある」と警鐘を鳴らした。

 県警は昨年12月2~25日、サイバーパトロールを重点的に実施。警察官が有料の出会い系やコミュニティーサイトを利用し、個人的に援助交際を持ち掛けた16歳1人、17歳2人、19歳1人の計4人を補導した。動機は「彼氏への誕生日プレゼントを買いたかった」「周囲から借りた金を返すため」などだった。中には比較的裕福な家庭で育ち非行歴もない少女が「性行為を経験したかった」との理由で書き込んでいた。
 県警によると、ネットを通じて見知らぬ成人男性と知り合うことについて4人とも「大丈夫」などと答えており、危機意識の欠如がうかがわれる。
 少女らの中には援助交際を数十回繰り返していた例もあった。ただ今回は過去に少女買春をした成人男性につながる情報は乏しかったという。サイト側は違法な書き込みを黙認し続けたら罰せられる可能性がある。
 日本では、おとり捜査は麻薬事案などを除き禁止されている。県警は「犯意がない相手を警察が誘導し摘発することは禁止されている。今回は少女らの売春の持ち掛けに、最低限の返信しかしておらず、警察が犯罪を誘発しているとはいえない」との認識を示した。