社会

「やんばるの森」ルール構築 構想素案、観光ガイドに登録制

 【北部】国頭村、大宜味村、東村の森林地帯の世界自然遺産登録を見据えた利用ルールや保全策の方針「やんばる型森林ツーリズム全体構想」の素案が22日までにまとまった。県や3村の関係者と識者でつくる検討委員会が議論を進め、2017年度に全体構想を策定する予定だ。ガイド登録制度の整備などを柱に、持続可能な利用や地域振興につながる構想を目指す。盗掘や密猟も懸念される貴重な野生生物の採取禁止・制限や利用者数の制限、県内外の一般市民や企業から寄付を募る「世界自然遺産やんばるの保全管理基金(仮称)」も視野に入れる。

 やんばる型森林ツーリズム全体構想は、3村ごとのワーキンググループで意見交換を重ねつつ、定期的に3村合同の検討委で県森林管理課を事務局に議論を進めている。今月11日、大宜味村で開かれた検討委で全体構想の素案が初めて示された。
 全体構想策定後は3村の行政や観光関係者、商工会、国頭村森林組合などの「やんばる型森林ツーリズム推進協議会」を発足させ、利用ルールや保全策の適切な運用を図る。
 ガイド登録制度は、森林散策などの「自然ネイチャー」、植樹や林業体験の「林業フォレスター」、自然体験で心身の健康を増進する「癒やしセラピー」、歴史的な史跡を含む「文化カルチャー」の4区分を想定する。
 与那覇岳、ター滝など場所別の登録制度も検討し、保全原則の順守徹底を図る。自然関係法令や生物多様性保全に関する基本知識習得も義務づけ、一定期間ごとの更新制度も設ける方向。
 保全ルールを熟知する地元ガイドを優先的に利用し、無秩序な利用などを避けるために村外の事業者らがガイドをする際にはより厳しい基準を設ける。
 全体構想の検討委で委員長を務める芝正己琉球大教授は、本紙取材に「3村の地域振興につなげることが大切だ。人と自然がこれまで近い空間はなかなかない。やんばる型森林ツーリズムがモデルになるのではないか」と述べ、他地域でも参考例になる意義を強調した。(古堅一樹)



琉球新報