空き店拠点に起業支援 沖縄市、人材育成から訓練まで


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 【沖縄】沖縄市は2016年度から、商店街を活用して先端ICT(情報通信技術)の人材育成や創業・起業の支援相談、OJT(職場訓練)をワンストップで実践的にサポートする「創業・起業総合支援事業」を実施する。首都圏など国内企業からシステム開発などを外注受託する「ニアショア」の拠点形成を目指す。商店街の空き店舗を活用した起業家が集まる「ミニ・シリコンバレー」のイメージで、行政主導による県内初の試み。

 地方版総合戦略を国が支援する地方創生加速化交付金約8千万円を活用して、今夏から事業を開始する予定。事業の運営は公募して民間企業に委託する。事業を円滑に推進するため、市や金融機関、商工会議所、企業、大学などでつくる「創業・起業推進協議会」(仮称)を設置する。
 事業は(1)創業・起業支援窓口(2)先端ICT人材育成(3)ニアショア拠点形成―の3本柱で構成する。人材育成は、家電などの機器とインターネットをつなぐIoTや人工知能、ビッグデータ、3Dプリンターの関連技術を学ぶ研修を行う。基礎技術を習得した技術者には、企業の外注委託によるOJTを段階的に行い、高度な実務経験を積ませる。創業・起業に向けたニアショア業務の紹介も行う。支援窓口は起業や商品開発、経営、販路拡大に関する相談業務を行う。支援対象の業種は、IT関連のほか製造業や飲食、物販などサービス産業全般を想定しており、中心市街地全体の活性化を図る。対象は胡屋地区商店街や市中央パークアベニューなどの周辺地域で空き店舗を活用した企業誘致やシェアオフィスの整備も促進する。
 市経済文化部は「今後、高い需要が見込まれる高度な情報通信技術に対応する人材育成から、創業・起業を継続的に支援する拠点を整備したい」と狙いを話す。(宮城征彦)