若者が俳句研究「アラカルト」


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部誌創刊号を手にする「a la carte(アラカルト)」のメンバーたち=16日、那覇市の牧志駅前ほしぞら公民館

 琉球大学の学生や高校生らでつくる「琉大俳句研究会a la carte(アラカルト)」が3月、“旗揚げ”から4年で初の部誌を発行した。メンバーの句を並べただけの作品集ではなく、俳人の句集を評したり座談会の様子を掲載したりと、沖縄の学生たちのパワーと可能性が詰まった一冊となった。

 アラカルトは、大学生による俳句活動の場をつくろうと結成された。当初はゆるやかな集まりだったが、現在では定期的に句会を開くなど高いレベルを目指して研さんし合っている。幹事役を務める山本夏希さん=琉大3年=は「沖縄の俳句人口は県外に比べ少ない。部誌という一つの形にまとめることで、内地にも負けない学生句会だとアピールできるかな」と部誌の意義を語る。
 創刊号は、沖縄出身や沖縄ゆかりの俳人の句集を読み解く特集を最初の章に置いた。桑江常青の句集について書いた翁長徹さん=琉大1年=は「感想を自分に落とし込むだけでなく、他人にも魅力が分かる表現を考えることで俳句への向き合い方そのものにも深みが出たと思う」という。戦争や震災、アイデンティティーなど幅広く語り合った2月の座談会も収録した。
 写真やレイアウトを凝ったつくりにし、フェイスブックやツイッターなどを通じて反響もあるという。福村みなみさん=沖国大2年=と金城果音さん=浦添高2年=は知人を通じて関西の句会と交流した際、「見せ方を工夫していて装丁もいいと言ってもらえた」と、県外で評価されたことを喜ぶ。57ページ。千円(学生は500円)。問い合わせはアラカルトへメール(ryu.hai.alacarte@gmail.com)で。