米統治下初の公選主席で、復帰後最初の知事を務めた屋良朝苗氏(1902~97年)の生涯を描いた創作劇「屋良朝苗物語―一条の光を求めて」の実行委員会は26日、北中城村社会福祉センターで稽古を公開した。県内全域から集まった中学1年~高校3年の生徒たちが屋良氏の生き様や復帰前後の沖縄の人々を情感を込め演じた。演出は平田大一さんが務めた。
劇では主に戦後沖縄の教育の復興に力を入れたり、主席として苦悩したりする屋良氏の人間性や生き方を描く。当時の新聞記事や実際の屋良氏の音声などを取り入れ、現実感を出した。
屋良朝苗役の知花杏樹さん(17)=球陽高3年=は「屋良氏の心の強さを内面から出すように演じたい。年齢も性別も違うが、屋良氏の日記や回顧録を読んで役作りをしている。復帰の日について考えるきっかけになる演劇にしたい」と意気込んだ。
平田さんは「しっかりと台本を覚えて、ここまで下地が整ったのは心強い。ここに演出を加えていく」と成功に向けて手応えをつかんだ様子だった。
劇は5月14日、1972年に復帰式典が行われた会場の那覇市民会館で2回上演する。チケットは大人2千円、中学生以下は千円。