「植民地主義と決別を」 東京で自己決定権シンポ


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「継続する植民地主義と琉球/沖縄の自己決定権」をめぐり、活発に意見を交わすパネリストら=24日、東京都の東京しごとセンター

 【東京】沖縄シンポジウム第3弾「継続する植民地主義と琉球/沖縄の自己決定権」(4・24シンポジウム実行委員会主催)が24日、東京都の東京しごとセンターで開かれた。パネリストは、日本ではいまも植民地主義が継続していることを指摘した上で「沖縄は国防の道具にされ、人権、自己決定権が侵害されている。日本は植民地主義と決別すべきだ」などと訴えた。約100人が会場に詰め掛けた。

 同シンポは、2014年5月~15年2月まで本紙で連載した「道標(しるべ)求めて―琉米条約160年 主権を問う」が「沖縄の自己決定権―その歴史的根拠と近未来の展望」(高文研)として出版されたのを記念して昨年9月に開かれたのがきっかけ。今回で3度目。
 パネリストは中野敏男東京外国語大学名誉教授、上村英明恵泉女学園大学教授、新垣毅琉球新報東京報道部長の3人。前田朗東京造形大学教授が進行役を務めた。
 上村氏は「日本は去る大戦までの植民地支配を反省していない。過去を問わず、忘却してしまっている。日本の植民地主義は本当に解体されたのか」と問い掛けた。その上で「沖縄の歴史的不正義には米国も関わっている。いまの沖縄の基地問題を米国は『日本の国内問題』とはいえないはずだ」と指摘した。
 中野氏は「世界で連携する植民地主義体制の構成単位である『主権国家=日本』は相対化されねばならない」と述べ、国境を超えた地域共同体に向かうべきとの考えを示した。「これは『本土』の責任が大きい」と主張。地方分権を推進し、国防・外交を政府の「専管事項」から外したり、緩めたりすることも提起した。
 新垣氏は新安保法制の成立過程に触れ「沖縄でいま、自己決定権が叫ばれているが、日本国民もまた、主権者としての在り方が問われている」と述べた。