沖縄県議選、当落二転三転で陣営翻弄 「本当?」「悔しい」


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当確が判明し、妻弘美さんから花束を受け取る具志堅透さん=6日午前2時10分、本部町

 沖縄県議選で激戦となった国頭郡区では、県選挙管理委員会の集計ミスに伴い、当確情報が二度変わる異例の事態に候補者や支持者らが翻弄(ほんろう)され、最終的に134票差で明暗が分かれた。

 5日夜、テレビの開票速報で具志堅透さん(56)=自民=の当確が報じられ、事務所は喜びに沸いた。しかし、しばらくして逆の結果が報じられると事務所の雰囲気が一変した。支持者らは口数少なく静かになり敗戦ムードが漂った。

 日付をまたいだ6日午前1時45分、県選管の開票速報の修正があり順位が逆転する可能性があるとの情報が入った。一時は信じられない様子だった具志堅さんだが、確認が取れると「本当にな? 夢じゃないだろうな」と笑顔がはじけた。

最初の落選の知らせを受け、あいさつする吉田勝広さん=5日午後10時54分、金武町の選挙事務所

 午前2時すぎ、支持者らが再び集まり始めた。具志堅さんは「本当に厳しい選挙だった。県土均衡、やんばるの発展を目指す」と意欲を見せた。

 県選管の対応については「支持者のことを思うと、こういう事務的なミスは絶対にあってはいけない」と指摘した。

 一方、吉田勝広さん(71)=無所属=の選挙事務所では5日午後10時40分ごろ、落選を示す結果が報じられ、吉田さんが敗戦の弁を述べた。しかし約50分後には当確が報じられ、一転して万歳三唱の歓喜に湧いた。支持者らが安堵(あんど)の表情で帰路に就く中、6日午前1時50分ごろには県選管が開票結果を修正し落選が明らかになった。報道陣から最終結果が伝えられると、吉田さんは取材にコメントせず、言葉少なに帰宅した。

 一夜明けた6日朝、吉田さんは普段通りに地元の金武小での読み聞かせに参加し、同日午後には辺野古移設に反対する市民らが座り込む米軍キャンプ・シュワブゲート前も訪れた。落選について取材に「悔しいが、バネにしないといけない。選管の皆さんには失敗を教訓に生かしてほしい」と注文を付けた。