日米地位協定、11知事「改定必要」 海兵隊受け入れゼロ 全国46知事調査


この記事を書いた人 新里 哲

 【東京】米軍属女性暴行殺人事件を受け、琉球新報社は25日までに、沖縄以外の46都道府県知事に対し、海兵隊の沖縄駐留、日米地位協定改定の是非などを聞くアンケートを実施した。地位協定は11知事が「抜本的改定が必要」と回答した。海兵隊については、受け入れるとした知事はゼロで「外交・防衛は国の専管事項」だとして45都道府県が回答しなかった。辺野古新基地建設計画も「断念すべだ」はゼロだった。

 再発防止策は11知事が選択肢を選び、「米軍関係者の教育徹底」が8知事、「地位協定改定」が6知事(3知事が複数選択)だった。残りは選択肢を選ばずに「日米両政府が実効性のある再発防止策を構築することを期待する」(北海道)などと記述する回答が多かった。

 事件事故の再発防止のために県が強く求めている地位協定改定については11知事が「抜本的改定が必要」を選択。1知事が「運用改善で対応すべきだ」を選んだ。

 海兵隊の沖縄駐留は5知事が「縮小すべきだ」と選択した。ほかの都道府県は「安全保障上の問題であり、国において大局的に判断すべきだ」(千葉県)「外交・防衛に関することは国の専管事項であり、コメントは差し控えたい」(広島県)などとして選択しなかった。

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画については「進めるべきだ」が兵庫の1県、「県と政府が話し合い解決策を探るべきだ」が岩手、秋田、山梨、静岡、鳥取、高知、長崎の7県、「断念すべきだ」はいなかった。

 事件に抗議する県民大会や県議会が決議で撤退を求めた在沖海兵隊については、高知県が「日本全体では必要だが引き受けられない」を選択。沖縄の海兵隊を「引き受ける」とした知事はおらず、45都道府県(97・8%)が無回答。「具体的な要請があった段階で検討する」(福岡県)「現時点で具体的な提案はなく、仮定に基づく回答はできない」(栃木県)などとのコメントがあった。

 アンケートは複数の選択肢から答えを選ぶ設問が5問、自由回答1問の計6問を13日に46都道府県にFAXで送付した。22日までに全知事から回答があった。