乳児置き去り 発生2週間 捜査難航、保護者現れず


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那覇署が3日に公開した、発見時に乳児が着用していたTシャツ

 2日に那覇市泊のベンチで生後間もない男の子が見つかった事件は、16日で2週間を迎える。那覇署は聞き込みなどを行って捜査を進めていたが、有力な情報を得られず、保護者も名乗り出ていない。那覇署によると、乳児は保護された病院で健康に育っているという。このまま保護者が名乗り出なければ、那覇市が戸籍登録などの手続きを行い、乳児院などの施設に入所するか、里親に預けられることになる。

 乳児は泊のベンチ上で子ども用の赤いTシャツを掛けられ、トートバッグの上に横たわった状態で見つかった。へその緒が数センチついており、生後間もない状態だったとみられる。警察官が保護した後、本島南部の病院に搬送された。

 署は周辺への聞き込みなどを実施。3日には発見時に乳児が着用していた、子ども用サイズのTシャツなどの写真を公開して情報を呼び掛けた。近隣の保育所にも写真を配布するなどして情報を募ったが、有力情報は得られていない。當山達也那覇署長は「保護者特定につながる情報がないのは非常に厳しいが、赤ちゃんが元気なのは一つの救いだ」と述べた。

 市によると、今後、保護者が現れなければ、那覇市長が氏名をつけた上で戸籍が作成される。その後、県の児童相談所を介し、2歳未満の子どもが入所する乳児院か、里親に預けられる。児童相談所の担当者は「子どもが元気なのは何よりだが、成長過程を考えると、保護者が名乗り出るのが一番だ」と話した。