宮古陸自配備 市長「総合的に判断」 反対団体の面談拒む


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陸自配備計画に関する要請書の回答を公表する市民ら=25日、宮古島市平良

 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画に反対する市民団体「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」(石嶺香織、楚南有香子共同代表)は25日、市平良の福山自治会(砂川栄会長)と連名で出した、下地敏彦市長宛ての要請書に対する回答を発表した。また「てぃだぬふぁ」は下地市長に直接面談を申し出たが、「もう既に考え方は分かっている」などとして、拒否されたことも明かした。

 要請書では、配備候補地の一つ「千代田カントリークラブ」(市上野野原)に隣接する野原部落会が配備に反対し、市議会に計画撤回を求める陳情書を提出していることを踏まえ、陳情が採決されるまで「千代田」への配備の是非を判断しないことなどを求めた。

 市は市長名の文書で「私は議会の判断や配備計画の関係法令との適合性、地権者の意向や幅広い市民の意見を参考に、総合的に判断したい」と回答した。要請書の提出は2日で、回答は19日付。

 一方「てぃだぬふぁ」によると、6月24日に市秘書広報課に要請の面談を申し出ると、会の規約と名簿を事前提出するよう求められた。「てぃだぬふぁ」は8月2日に求められた資料を提出し面談を申し込んだが、同15日、同課から面談は拒否し文書で回答すると伝えられた。

 面談拒否の理由として「何回も面談して考えは分かっている」「話をしても平行線」「人数を守らない」などと説明があった。

 石嶺共同代表は「市はどのような基準で面談団体を選んでいるのか。考えが一致する相手としか面談しないのか。幅広い意見を聞くという市長の仕事を放棄している」と批判した。

 市秘書広報課は本紙の取材に対し、規約類は素性が分からない団体には以前から提出してもらっていたと説明。「『てぃだぬふぁ』に対しては当初の段階で求めていなかったので、改めて提出してもらった。一部ルールを守らない面があるので、今回は会わないことにしたが、また要請があれば、その都度内容を見て判断していく」とした。